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トヨタが新型ランドクルーザーを世界初公開【動画あり】

河口まなぶ自動車ジャーナリスト
写真提供:トヨタ自動車株式会社

 トヨタ自動車株式会社は日本時間10日午前2時半、新型ランドクルーザーをオンラインで世界初公開した。

 ランドクルーザーは1951年の誕生から今年で70周年を迎えるモデルで、世界中の人々の安全・安心を支えるクルマとしてユーザーに選ばれてきたトヨタを象徴する1台。実際に世界170カ国の国と地域で累計1040万台、年間30万台以上を販売してきた実績を持つ。

 これほどまでに世界中で愛される理由は、「どこへでもいき、生きて帰ってこれるクルマ」というユーザーの評価に応えるため信頼性・耐久性・悪路走破性を鍛え、進化し続けてきた唯一無二の存在であるから。

 特にこうした評価は砂漠でランドローバーを用いている中東地域で極めて高く、そうした背景を受けて今回は中東地域を中心とした当地域でのゴールデンタイムにおけるオンライン公開となった。このため日本では本日午前2時半の公開となった。

 今回はフラッグシップモデルであるステーションワゴン型のランドクルーザーをフルモデルチェンジし、このモデルを2021年夏以降、世界各地で発売する予定だとトヨタはアナウンスした。詳細は筆者の動画を参考にしていただければ幸いだ。

 今回、公開された中で印象的なのは、これまでのイメージを受け継ぎつつもさらにボクシーで機能的に、それでいて上級モデルに相応しい風格を備えたこと。ランドクルーザーの伝統を継承し、オフロード走行時のダメージを受けにくいランプ位置やバンパー造形などの機能美を追求。またインテリアでは、悪路状況でもクルマの姿勢を捉えやすい水平基調のインストルメントパネルを採用。直感操作できるスイッチ類を機能ごとにレイアウトし、形状や色など操作性を考慮したデザインとして、快適性も追求している。

 またインテリアでは、これまでのトヨタ車(ハリアーなど)で用いられているナビパネルやシフトノブ、カップホルダーが見受けられるものの、やはり圧倒的なサイズとゆとりの中でデザインされており最上級モデルに相応しい内容だ。

 そして公開された写真では2種類のモデルが確認できる。一台はラグジュアリーな仕様、もう一台はGR(Gazoo Racing)のバッジがついており、オフロードにおける走りを追求したモデルとうかがえる。

 メカニズム的な特徴では、新たなGA-Fプラットフォーム採用。新設計で軽量・高剛性

フレーム・車体を含めた車両全体で−200kgを実現しているという。加えて低重心化や重量配分、サスペンション構造の改善を実施している。

 そしてこれを凄腕」「匠」といった社内の熟練テストドライバーやダカールラリー出場ドライバーをはじめとする評価メンバーが、実路走行での作りこみを行なって、オンロード、オフロードの双方で運転しやすく、疲れにくいクルマを目指したという。

 さらに伝統の悪路走破性をさらに向上させるため、以下のような開発・新技術の採用を行った。

●サスペンションの基本性能(ホイールアーティキュレーション : タイヤの浮きづらさ)向上

● E-KDSS(Electronic Kinetic Dynamic Suspension System)の採用による接地性向上

●ドライバー視点で障害物を直感的に可視化できるマルチテレインモニターの採用

●走行路面を判定し、自動でモード選択するマルチテレインセレクトの採用

 特にE-KDSS(Electronic Kinetic Dynamic Suspension System)は世界初の機構となるため注目できる。

 さらに今回は、新パワートレーン採用によるクラストップレベルの動力性能を実現。新開発のV6ツインターボエンジン(3.5Lガソリン、3.3Lディーゼル)を採用して、従来のV8を超える性能を達成。そしてダイレクトシフト10AT(10速オートマチックトランスミッション)を採用し、従来型との比較で車両使用時の年間CO2排出量を、グローバルの全台数分で約10%低減できる見込みとなる。

スペックとしては、ガソリンが最高出力415ps、最大トルク650Nmを実現。ディーゼルは最高出力309ps、最大トルク700Nmを実現している。

また最新の予防安全技術群「Toyota Safety Sense」を採用しており、昼夜の歩行者や昼の自転車を検知して、衝突回避または被害軽減に寄与するプリクラッシュセーフティに、交差点での対向直進車や右左折時の横断歩行者検知機能などを盛り込んだ。

 トヨタはランドクルーザーの本質を「信頼性・耐久性・悪路走破性」だと謳う。そして「ランドクルーザーがあるからこそ行き来できる場所で人々の暮らしを支える、必要不可欠な道具」として、「人道支援や災害派遣などで人の命を支える存在」として、「ランドクルーザーだからこそ提供できる体験を通じて、より豊かな人生を支える存在」として、世界中でなくてはならない存在として認められている。

 70周年を迎える今年の夏に、日本でも新型がお披露目される予定となっている。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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