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ホークス一の快足50m5秒64! 福田秀平、ケガから復帰し2年ぶり1軍へまっしぐら

田尻耕太郎スポーツライター

笠原が8回無失点

4月28日(火)、ソフトバンク3軍は四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で徳島インディゴソックスと対戦した。

徳島IS   000000001 1

ソフトバンク 00003024× 9

<バッテリー>

【IS】吉田、山藤、卯名根口、宍戸、木下――宮下

【H】笠原、金無英――張本、栗原

<本塁打>なし

【戦評】

ソフトバンクが快勝した。序盤は投手戦も、5回裏無死一塁で徳島の先発・吉田が交代すると、1番・宮崎がタイムリーを放ち先制。さらに3番・上林の2点三塁打で畳みかけた。7回には4番・白根の犠飛などで加点。8回は代打・堀内の適時打、白根の2点打などでダメ押しした。なお宮崎は4安打の活躍だった。

先発の笠原は5回1死まで徳島打線をパーフェクトに抑える快投。8回まで投げて4安打無失点と好結果を残した。

徳島では、先発の新人吉田(長崎・海星高)が力のあるボールを投げ込み4回まで0を並べる投球が光った。

福田秀平が背番号と同じ「37」日ぶりに実戦出場

試合後に笑顔を見せる福田(左から2番目)
試合後に笑顔を見せる福田(左から2番目)

ホークス一の俊足男がグラウンドに戻ってきた。右手薬指の骨折でリハビリしていた福田秀平が実戦復帰した。福田は3月22日のウエスタン・リーグ、広島戦(雁の巣)で、牽制で帰塁した際に相手一塁手に押しつぶされる形で負傷。当初、球団からは「全治不明」と発表されていた。

この試合の6回1アウト走者なしの場面に代打で登場。1ボール1ストライクからの変化球をとらえた鋭い打球を放ったが、惜しくも一塁手の正面に飛びアウトとなった。それでも福田は笑顔を見せ、試合後には「結果はともかく試合に出られたことが一番。ここからどんどんアピールして、1軍で勝負しないと」と熱く語った。

福田は2006年高校生ドラフト1位で入団し、2011年には97試合に出場し、打率.252、1本塁打、22打点、22盗塁と活躍。リーグ優勝決定時にはダイビングキャッチでウイニングボールをつかむなど印象に残るプレーもあった。しかし、その後は膝の故障に泣き、昨季は1軍出場ゼロに終わっていた。

8キロ減量で「スピードが戻った」

だが、今季は膝の痛みが引き、「もう万全。もう一度勝負できる」状態にまで戻っていた。その矢先の指の骨折だけに悔しかったが、自分を見つめ直す意義ある時間にもなった。キャンプ頃は膝周りの筋力アップを図り体重を増加させた。しかし、持ち味のスピードが落ちた。「これじゃダメだ」と8キロの減量に成功し、「スピードが戻った」という。先日、スパイクを履いた状態で50m走のタイムを測ったところ5秒64という驚異的なタイムを叩きだしたのだ。

「足に不安があると、スタートをよくしなきゃとかリードをもっと広くとか、邪念のようなものが出てくる。そうなるとベストなプレーが難しくなる。僕の中でスピードが戻ったのはものすごく大きいんです」

1軍では2011年シーズン途中から31連続盗塁成功記録を現在も継続中だ。シーズンをまたいでいるため暫定ではあるが、日本タイ記録である。近日中には2軍に合流する見込みだ。背番号37の韋駄天がヤフオクドームを駆け回る日は遠くないはずだ。

白根「誕生日にタコらなくてよかった(笑)」

【雑感】

打撃陣では1番に座った宮崎駿が4安打の活躍。0対0の5回には先制のタイムリーも放った。今季から外野手登録だが、最後はセカンドも守った。ユーティリティプレーヤーとしての存在感もアピールした。

4番の白根は3打数1安打3打点。7回の犠飛は「詰まった」と言いながら、センターのフェンス手前まで飛ぶ大きな当たりだった。8回にはダメ押しの2点タイムリー。「今日が22歳の誕生日だったんでタコったらまずいでしょ」と白い歯をこぼした。ただ、タイムリー以上に手応えがあったのは、4回無死一塁で送りバントをきっちり決めた場面だ。「うえに上がるにはこういうプレーが大きいですからね」と小技も磨く所存だ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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