熱帯低気圧は近づかなくとも、被災地で大雨のおそれ
沖縄の南へ進むがあまり発達せず?
きのう発生した熱帯低気圧は、きょう正午現在、フィリピンの東海上を北西方向へ進んでいます。
熱帯低気圧の中心気圧は1006hPaで、きのうの発生時は1010hPaでしたから、発生当初よりはやや発達した状態にあると言えるでしょう。
ただ気象庁の予想では今後あまり発達することはなく、あす木曜日から金曜日にかけて、沖縄の南方海上(フィリピンの東海上)へ進む予想です。
金曜日以降も目立って発達する計算は少なく、幸いなことに本州付近へ影響する可能性は小さいと思われます。
ただ熱帯低気圧がやってこなくとも油断は出来ません。
なぜなら金曜日から土曜日にかけて、低気圧や前線が本州付近を進み、南からの湿った空気が流れ込むため、広い範囲でまとまった雨や大雨となる心配があるからです。
金曜日は広く雨に
最新のコンピュータの計算では、木曜日の夜以降、関東甲信や東海など東日本で雨雲が発生し、金曜日の午前中にかけて、まとまった雨となる予想です。
一方、金曜日の午後になると、今度は西日本で雨雲がまとまり、九州北部や中国地方で雨脚が強まる予想です。
土曜日にかけて大雨のおそれ
そして土曜日の日中にかけて、上記の雨雲が北陸や東北を中心に通過する予想で、雨雲の発達次第では、台風19号で甚大な被害を受けた関東甲信や東北などでも激しい雨が降ることが予想されます。
総雨量は100ミリ以上の計算も
コンピュータの計算による、木曜日午後9時から土曜日午後9時までの48時間雨量は、広い範囲で30ミリ以上(黄色)のまとまった雨となり、関東南部を中心に所々で60ミリ以上(オレンジ色)が予想され、特に東京多摩地方や神奈川西部などの山沿いでは局地的に赤色の100ミリ以上の地点も予想されています。
何事もない通常時ならば、これくらいの雨で気象庁からの情報は出されないと思いますが、台風19号の記録的豪雨により、河川や山、崖など、様々な所が脆弱になっていることもあり、きょう午後2時に早々と大雨に関する全般気象情報が出されました。
また関東甲信地方には洪水に関する情報、東北地方には大雨に関する情報がそれぞれ出されています。
低気圧や前線の影響の度合いによっては、上記に示した以上の大雨となるおそれもあり、今後の雨の予想に十分な注意、警戒が必要です。