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今年も45本以上のホームランを打てば、3年連続は史上10人目。47本塁打の昨年は打率1割台

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)Jul 16, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、過去2シーズンとも、45本以上のホームランを打っている。2022年が46本塁打、2023年は47本塁打だ。どちらのシーズンも、打率は.218と.197と低く、2023年は、打率.200未満で40本塁以上を記録した史上初の選手となったが、出塁率は前年の.323から.343へ上昇した。

 2シーズン連続45本塁打以上は、延べ20人目。今年、このストリークを3シーズン連続に伸ばせば、歴代8番目の長さとなる。

 6シーズン連続のベーブ・ルース(1926~31年)、5シーズン連続のサミー・ソーサ(1998~2002年)とバリー・ボンズ(2000~04年)、4シーズン連続のハーモン・キルブルー(1961~64年)、マーク・マグワイア(1996~99年)、ケン・グリフィーJr.(1996~99年)、ライアン・ハワード(2006~09年)に次ぎ、アレックス・ロドリゲス(2001~03年)とジム・トーメイ(2001~03年)に並ぶ。違う言い方をすると、史上10人目の3シーズン連続45本塁打にリーチをかけている。

筆者作成
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 シュワーバーの前に2シーズン連続45本塁打以上を記録した19人中、次の「3シーズン目」も45本以上のホームランを打った選手は9人、45本に届かなかった選手は10人だ。

 3シーズン連続45本塁打以上とならなかった10人も、パワーが消え失せたわけではない。「3シーズン目」のホームランは、最も少ない2000年のグレッグ・ボーンでも28本。あとの9人は30本塁打以上を記録した。なかでも、1934年のジミー・フォックスは44本塁打、1951年のラルフ・カイナーは42本塁打、1960年のアーニー・バンクスは41本塁打。彼らを含め、35本塁打以上は、10人中7人を数える。

 なお、シュワーバーは、45本塁打以上だけでなく、200三振以上も2シーズン続けている。2022年が200三振、2023年は215三振だ。

 こちらは、3シーズン連続なら、史上最長のマーク・レイノルズ(2008~10年)に並ぶ。シーズン200三振以上を続けて記録したのは、レイノルズとシュワーバーの他には、クリス・デービス(2015~16年)――ファーストネームのイニシャルはC――しかいない。2017年のデービスは、6月から7月にかけて1ヵ月欠場し、三振は195にとどまった。

 シュワーバーと本数は違うが、日本プロ野球で岡本和真(読売ジャイアンツ)が継続している、シーズン30本塁打以上のストリークについては、こちらで書いた。

「岡本和真の前に6年連続30本塁打以上を記録した8人は「7年目」に何本のホームランを打ったのか」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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