【都城市】「やっぱ肉に携わりたかったんですよね」鶏・牛・豚のテイクアウト名店誕生!
南九州の食文化として日本全体でも有名なのが鶏の生食。時々何かと話題になりますが、私たち宮崎人にとって欠かすことのできない、大切な食文化です。都城市に引っ越してきて、テイクアウトでも提供するお店が本当に多いなと驚くとともに、鶏刺し大好きな私たち夫婦としては心からHAPPYを感じています。そんな激戦の鶏刺し(たたき)業界において、高い志で狼煙をあげたお店がこちら!
その名も「志(こころざし)・一番鶏」さんです。私たちは「志さん」と呼んでしれっとリピートしているお店です。
場所は菖蒲原町。老舗中華料理屋さんの「光臨」さんの隣りといいますか、敷地内といいますか、そこになります。車通りの多い場所になりますので、駐車される際には十分ご注意ください。
お恥ずかしいということで、目にモザイク。来店したときからずっと笑顔の店主、志々目 寛之さん。苗字が店名の由来にもなっています。かっこいいですよね。お写真をお願いしてから「こうかな?こんな感じかな!」とユーモア溢れるポージングで、私ももらい笑顔。実は、あの超有名高級焼き肉店の福岡店で働いていた経歴を持つ、本物の肉のプロ!肉に関する知識はここで叩き込まれたそうです。
メニューはこちら。現在は鶏ささみ炙り刺し、鶏レバ刺しが販売停止中です。「鶏レバ刺しは人気も、正直売り上げもあるんでかなり悩みました。修行していた焼肉屋でそのあたりの見極めを叩き込まれたので、余計に。でも、売上より信頼を失いたくないので、期間限定にすることにしました。ここ数年の気温は本当に怖くて、最大限気を付けていても、何が起こるか分かりません。」もちろん、志さんが提供するお肉は、こだわりの鮮度に自信があります。それでもこの判断をされたことは、きっととても心苦しかったんだろうなと思います。
ちょっと反射で見えにくく、申し訳ないです。その大人気レバ刺しに代わって販売をスタートされたのが「霧峰牛のたたき」です。今回の個人的大本命はこの牛たたき。人気のあるレバ刺しに代わって登場するのですから、きっと志々目さんの肝入りだろうと思い、自ずと期待値が上がります。では、その牛たたきも含め、今回購入した商品を一部ご紹介いたします!
私購入の4点はこちら
①霧峰牛のたたき
まず「霧峰牛」とは、畜産王国宮崎のブランド牛の一つ。私は初めて聞きました。高級和牛の代名詞「黒毛和種」とホルスタイン種の血統を受け継いだ交雑種。「霧峰牛の取り扱いがある業者は1社だけですから珍しいと思いますよ」と志々目さん。必ず「個体識別番号」も表示されています。こだわりの牛たたきは、口に入れると適度な肉らしさを感じる歯ざわりがあり、良質の脂にほのかな甘みを感じます。これ以上でもこれ以下でも、この上品な脂と肉を楽しめない、絶妙な厚みに先述の焼肉屋で叩き込まれた技が光っています(たたきだけに…)。付属のタレは甘みを抑えた醤油で、肉全体の味を引き締めていてとても相性が良いです。ゆっくりじっくり噛んで味わいたい逸品です。
②森林鶏たたき(薬味ぶっかけ)
こちらは宮崎人なら馴染み深い鶏のたたき。今回は薬味ぶっかけをチョイス。ネギと刻み生姜がたっぷりとかかっています。鶏は都城市、高原町で飼養されている森林鶏を使用。前回も薬味ありで食べて美味しかったので今回もこちらにしました。ちなみに薬味ぶっかけでは、たたきのタレではなく九州の甘い醤油になるという違いもあるので、両方食べてみるのもありですね!胸肉のしゃっきりした歯ざわりがよく、薬味の爽やかさも相まって、さっぱりといただけます。脂身はほとんど無いので、ヘルシーなのもいいですね!小400円と大700円の二種類があります。
③豚炭火焼
メニューを見て惹かれて購入したのがこちらの「豚炭火焼」。カウンターのウォーマーの中にあるのを見て注文してみました。
「ここにあるのはレアの状態まで予め焼いてあるものなんです。よくお客様に『これ炭で焼いてないでしょ!』と言われるんですけど、違うんです、注文を受けてから炭火で焼くんですよ。」と笑いながら話す志々目さん。以前は炭火で焼いてウォーマーで準備していたそうなのですが、時間の経過とともに添えキャベツはクタクタ、肝心の肉は固くなってパサパサになるという有様で、志々目さんの提供したい商品とは全く違うものになってしまったそうです。
それから注文が入ってから炭火で追い焼きをするスタイルに進化を遂げ、肉もいい食感を残し、キャベツもフレッシュなままご提供出来るようになりました。パックを開けた瞬間、まさに屋外でBBQをした時の、あの炭の良い香りが鼻を抜けます!みそダレのような甘みのある香ばしさと、しっかりとしつつも濃すぎないタレの染み具合が最高で、これはご飯が進みまくる味です!お子様にもおすすめですよ!
④牛センマイ刺し
「他のお店が出していないような品、それを身近に感じてほしいです。志だからあるという商品を出したいと思っています。」その想いを形にした代表商品がこの「牛センマイ刺し」。センマイは牛の第三の胃袋。少しクセがある部位でもありますが、志さんでは人気の商品なのだそうです。
センマイ刺しは、オリジナルの酢味噌に付けて。ちょっとアジアンテイストな感じを受けます。センマイ自体にごま油がまぶしてあるので、ホルモン系特有の香りはほとんど感じることなく、甘みの強いピリ辛酢味噌との相性が抜群で美味しかったです!夫マンは正直この手のホルモン自体があまり得意ではないのですが、「あ、これは美味いね!塩でも合いそう。」とごま油と塩で食べたり、味変まで楽しんでしまうほど美味しかった様子。添えの大葉で包んでも美味しかったですよ。
肉とともに歩む
「鶏って書いてるんですけど、牛やら、豚やらも売ってます」と笑いながら話す志々目さんは、本当の意味で肉好き。先述の通り、もとは福岡の超有名高級焼肉店で肉のノウハウを1から学び、宮崎にUターン。戻ってからも某スーパーにて、肉の仕入れや業者さんとのコミュニケーションを含めて多くを吸収。その後、一旦精肉業から離れますが、やっぱり肉に携わっていたい思いを振り切ることができず、その時出会った方に現在の場所を紹介いただいて、今日の営業に繋がっています。
「レバ刺しも本当に売り切れるくらい人気なんで、売りたいんですよね。本音は。だけど前職でもいわゆる生食に関しての『いつかは…』の話は出ていて、これ(レバ刺し)に頼っていると、そのいつかが来た時に対応できない店になってしまう。それも含めて、今のうちから代替品というかレバ刺しがない時でも、同じ主力として戦える商品を作っておきたかった気持ちもあるんです。お客さんには残念がられて、結構心苦しいんですけどね。」
次から次にお客さんは途切れません。何にするか話し合う明るい笑い声が響きます。「レバ刺しは11月くらいには再開したいと思っているんですが、もうここ数年は秋が秋じゃないくらい暑いので、天候を見て…ですね。」生食についての衛生は志々目さんのこだわりの一つで、たたきは表面を焼いて急速冷凍による殺菌を施し、牛たたきについても生ではなく低温調理を施しているといいます。鶏たたきは、あんまり火を入れるとパサつきが目立ってしまうので、その具合を見極めながら検討していくと仰っていました。
私も飲食店で勤務していた経験があり、共通する大変さや今後予想される展開などお話を聞く中で、改めて自分の信念に忠実な方であるのがよく分かりました。「いつかは居酒屋をしたいなっていうのはずっとあるんですよ。でもここまで協力してくれた方にも感謝ですし、なにより近所のお客さんが寄ってくれるようになっているので、ここを大事にしたいって思いますね。ホント有難いです。」
「牛たたきをクリスマスくらいに、もう少し火を入れたローストビーフにしてもいいよなぁって考えているところです。」志々目さんはもはや「一番鶏」でありながら「一番獲り」なお店に進化中!どうしたらお客さんが美味しいと思ってくれるのか、生食で一番の課題である「安全で美味しく」をどう両立するか、常に思案されています。「中途半端が一番嫌いなんで、自分が満足できない商品は絶対出しません。」
優しい笑顔と熱い情熱が作り上げる「志・一番鶏」。スタミナが欲しいこれからの時期に、是非お立ち寄りください!次はせせりも食べたいなぁ…。
●DATE●
・場所
宮崎県都城市菖蒲原町24-2-5 (光臨さん同敷地内)
・駐車場
お店側に寄せて停めてください。光臨さんがお休みの時はそちらでも可。
・電話番号
090-3986-4988
・営業時間
15:00-19:30
・定休日
日曜日・祝日
・ 志・一番鶏Instagram
※来店の際は保冷機能のあるマイバッグと保冷剤のご持参をお願いいたします。