古の言い伝え、陰陽五行説にちなんだ「粽」五色ならぬ五種類の味わいで端午の節句の謂れを知る
創業約140年を誇る人形町の老舗和菓子屋「京菓子司 壽堂」さんには、柏餅だけではなく粽も販売されています。
これから迎える「端午の節句」には欠かせない和菓子のひとつでもある粽、謂れは多々ありますが
<昔中国の偉い人が川に飛び込んで亡くなった際に、その人を慕う民衆がお供え物を「川の魔物(邪悪なもの)に食べられないように邪気を払う葉(今で言う笹とか茅)で包んで」投げ入れた>
という一説があります。他の説を含めもっと詳しく書きたいところではございますが、膨大な文字数になってしまうので今回はここらで一区切り。
壽堂さんでは、白・桜・柚子・抹茶・ブルーベリーの5種類のお味が販売されているのですが、今回は「抹茶・ブルーベリー・柚子」の3種類をご紹介。
全体的に笹の瑞々しい香りを纏い、まろやかな上新粉と餅粉のシンプルな甘味がより豊かに。落ち着いた抹茶が穏やかな気持ちにしてくれる抹茶も、粒感と色味が食卓に鮮やかさをもたらしてくれるようなブルーベリーの瑞々しさも美味しいのですが、個人的には柚子が一番お気に入り。
皮のほろ苦さまでも感じられるのに、きちんと甘い。それは砂糖甘いというわけではなくて、果実のフレッシュ感が残る、もしくはぐっと「らしさ」を引き上げてくれる甘味。実はそれぞれ食感が微妙に異なるのですが、柔らかさでいくとブルーベリーがもっとも柔らかく、意外にも柚子が最も歯切れのよい食感でした。
先述させていただいたように、壽堂さんには他にも生成りの白と桜がございまして、全部で五色。かつて粽を包んだ紐も陰陽五行説、全部で五つの節句にならって「赤・白・黄・青・黒」だったとのこと。
ちなみに五つの節句の中で、こどもの日である単語の節句は黄色にあたります。
壽堂さんの色合いももしかしたら、その流れを汲んで五種類のお味…?と勝手に推測。この場合青と黒、どちらが抹茶でブルーベリーになるのでしょうか…そういったことも推測しながら、お茶の時間の話題にしてみるのも楽しそうですね。
ちなみに私は菖蒲の花の色をイメージして今回ご紹介した三色にしました。
柏餅だけではなく、粽も今年のラインナップに入れてみてはいかがですか?
<壽堂>
東京都中央区日本橋人形町2-1-4
0120-480-400
平日・土曜 9時~18時30分
定休日 日曜
東京メトロ半蔵門線「水天宮前」駅7番口目の前