Yahoo!ニュース

北朝鮮の今朝のミサイルは中長距離弾道ミサイルか!?

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
「火星12号」の試射に立ち会った時の金正恩総書記(朝鮮中央TVから)

 北朝鮮がまた弾道ミサイルを発射した。今月は5日、11,14日、17日、25日、27日に続いて早くも7回目となる。

 韓国合同参謀本部の発表では発射時間は午前7時52分で、慈江道から東(日本海)に向け発射されたようだ。長距離巡航ミサイルが25日に2発発射された際には午前8時から9時の間と発表していたが、今回は発射時間を的確に探知できたようだ。

 日本は発射地点については「内陸部」として、場所を特定していなかったが、「最高高度はおよそ2000キロに達し、30分程度をかけ800km飛行し、日本の経済的排他水域(EEZ)の外に落下した」と推定していた。高度2000kmならば、直角で高高度で打ち上げるロフテッド方式で打ち上げられたのであろう。

 韓国が発射場所と特定した慈江道は5日と11日に極超音速ミサイルが発射された地点である。しかし、最大高度はいずれも60km前後だった。

 北朝鮮が過去にロフテッド方式で発射し、高度が2000km以上に達したミサイルにはICBM級の中長距離弾道ミサイル「火星12号」や「火星14号」、さらに大陸間弾道ミサイルの「火星15号」がある。

 平安北道・亀城から2017年5月14日に発射された「火星12号」は最大到達高度2111.5km、水平距離787km、30分11秒飛行し、日本の排他的経済水域手前の日本海に落下していた。今朝のミサイルとほぼ同じ指標だった。

 「火星12号」はこの年の8月、9月にも正常な角度から発射されており、8月29日に発射された際には最高高度550km、飛距離約2700kmで約14分飛行し、室戸岬東1180km先の太平洋に着弾し、9月の時は最高高度800km、飛距離3700km、19分飛行し、襟裳岬2200km先に落下していた。しかし、いずれも平安南道・順安から発射されていた。

 なお、慈江道には中国との国境に近い龍林郡に舞坪里と都陽里に発射場がある。

(参考資料:「朝起きたら、北朝鮮がミサイルを発射していた」「悪夢」が蘇る! 「Jアラート」が鳴る日が来るのか?)

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

「辺真一のマル秘レポート」

税込550円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌ではなかなか語ることのできない日本を取り巻く国際情勢、特に日中、日露、日韓、日朝関係を軸とするアジア情勢、さらには朝鮮半島の動向に関する知られざる情報を提供し、かつ日本の安全、平和の観点から論じます。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

辺真一の最近の記事