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【動画で見る】驚きの完成度、ボルボ新型XC40の実力【ディテール編】

河口まなぶ自動車ジャーナリスト
写真/動画は全て筆者撮影

とても高い完成度

 果たしてボルボに、どんな力が働いたのか?

 と思わずにはいられないほど、最新モデルであるXC40は強烈なインパクトを携えたプロダクトだった。筆者は年間に数百台に及ぶ新型車を試乗するが、乗って瞬時に驚くクルマというのは極めて少ない。そうした中で、このボルボXC40は最近試乗した新型車の中では群を抜いて驚きの出来の良さを披露したのだった。

 もちろんボルボは少し前から、そのプロダクトが明らかに高品質になり、商品性も確実に高まってきていたのは事実。フォード傘下から離れたブランドは、軒並みブラントとしての個性を発揮して価値を高めてきているが、ボルボもその筆頭といえる成長を果たしてきている。

 2016年の終わりに新世代モデルとしてフラッグシップSUVであるXC90が登場したが、この時に新世代のSPAプラットフォームを用いて、それまでのモデル群から完成度が一気に飛躍した。さらにその後、同じプラットフォームを用いてた1クラス下に位置するSUVのXC60は、さらに優れた仕上がりの良さを披露。その商品性もライバルを打ち負かす内容を備えていた。そしてXC60は世界中のカー・オブ・ザ・イヤーを総ナメし、ついには輸入車として2度目となる日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

 そうして今回登場したのが、今回紹介するXC40というモデルである。

XC40はまず名称に不思議がある。XC90、60と来たのに今回は40となる。通常なら30になると思われるが40という名称を与えた。例えばBMWなどでは、いわゆるベーシックなモデルに1、3、5、7と奇数を使って、クーペ的なモデルには2、4、6と使うが、それと同じような発想なのだろうか?

XC90、XC60とはやや異なるデザイン・テイスト

 そんな風に思えるのは、デザインがこれまでの90、60の流れとは異なるテイストとなるからだ。XC90や60の新世代ボルボのハイクオリティなスカンジナビアン・デザインは、それ自体高い評価が与えられているが、XC40はどこかポップでファンな雰囲気が漂っている。聞けばXC40は、ファンキーというワードが設定されたという。また顔つきのモチーフは「イングリッシュ・ブルドッグ」というから、XC90や60よりもよりパーソナルな存在であることをデザインに反映しているようにも思える。

 ボディをサイドから眺めると、フロント/リアの両フェンダー、そして前後ドアの下端に幾何学的な感じのラインが入るのもこれまでと違う。またボルボお馴染みのL字型テールランプに沿ったパネルの湾曲など、ボディのあらゆる箇所に見どころが多い。そんな魅力的なデザインに加え、今回紹介するモデルはRデザインというスポーティなグレードのため、足元には20インチのタイヤ&アルミホイールが与えられており、迫力も感じられる仕立てとなっている。

パーソナライズされたインテリア

 そしてインテリアもかなり高く評価できるものが構築されている。ハンドルやダッシュボード周りはXC90や60の流れを受け継ぐデザインだが、それ以外の部分は「パーソナル」を演出している。例えばドアポケットは広くてノートPCをそのまま置けるし、アームレストには箱ティッシュがそのまま入れられる空間が用意される。さらにそのティッシュボックスが入るアームレストの前端には、取り外し可能なゴミ箱も用意される。さらにセンターコンソールにはQi規格のワイヤレス充電ができるスペースが用意される。こうした感覚はまるでマイルーム的なパーソナル感覚を重視したからだろう。さらに試乗車のトリムはオプションでオレンジが選べるが、これがフェルト素材となっており、とても洒落た感覚が生まれている。

 さらに動画を参考にしていだきたいのだが、ラゲッジスペースも充実している。特にラゲッジ床板はアレンジ可能で様々な積載用途に応えるつくりになっているし、フラットにした時の積載面積もかなりのものとなる。

 といった具合で、まずは見た目で非常にワクワクさせられるボルボ新型XC40。次回はさらに驚きを覚えたその走りに迫ってみたい。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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