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40歳。婚活がうまくいかない。私の話が面白くないのか、見た目が悪いからなのか、正直よくわかりません。

大宮冬洋フリーライター
結婚したいし行動もしているけれどうまくいかない人へのカウンセリングの結果は?(写真:milatas/イメージマート)

婚活男女に結婚相談所が総当たり方式でカウンセリングをする「回転寿司」を無料開催中

<現在、結婚相談所やアプリを利用していますが、(マッチングした相手と)接点を構築することができません。自分に原因があるのだと思いますが、話が面白くないのか、見た目が悪いからなのか、正直よくわかりません。このまま活動を続けること自体に意味があるのかも疑問に感じるときもあります。何を改善したらいいのでしょうか>

 地方在住の40歳男性からの問いかけである。見た目は決して悪くない。むしろ端正な顔立ちで、真面目に勤め人をしている。あなたなら何と答えるだろうか。

 先月の24日(日)、結婚相談所比較申込サイト「こんかつ山」と共同で、「婚活カウンセリング回転寿司」というイベントを企画した。参加者は上記の男性を含めた6名の独身男女(以下婚活者)と5つの結婚相談所のカウンセラー。Zoomの「ブレイクアウトルーム」上で約10分間ずつの個別面談をする。

 このイベントは今回で3回目の開催だ。参加希望の婚活者からは事前に相談内容を提出してもらい、各相談所に渡しておく。なお、相談所も婚活者も参加無料である。

 婚活者は以下の項目でカウンセリングを3段階評価する。「自分の相談内容を理解してくれたか」「アドバイスは適切だったか」「アドバイスは具体的だったか」「全体として好印象を持てたか」「前向きな気持ちになれたか」の5項目である。個性が異なる相談所と自分との相性をみる参考にしてほしい。

 3段階評価のうち、「とても満足」を2点、「満足」を1点、「不満」を0点とした。5項目なので1名につき10点満点であり、全員から満点をもらったら60点に達する計算になる。

上段左から、こんかつ山運営の新井氏、筆者、MarriageArtsの嶋氏。中段左から寿プロデュースの岩田氏(僅差で準優勝!)、横浜婚活サポート室の斎藤氏、ナースのとも良縁の横山氏。下段はBridalチューリップの志水氏。(筆者撮影)
上段左から、こんかつ山運営の新井氏、筆者、MarriageArtsの嶋氏。中段左から寿プロデュースの岩田氏(僅差で準優勝!)、横浜婚活サポート室の斎藤氏、ナースのとも良縁の横山氏。下段はBridalチューリップの志水氏。(筆者撮影)

「アプリをやっているだけでもエライ」。共感重視で優勝した女性カウンセラーの言葉。

 まずはカウンセラーだけに集まってもらい、共同主催者である筆者が過去2回の結果を踏まえて高得点を得るためのポイントを指南した。気持ち良く話していると、やる気も実績も十分なカウンセラーから異論が出た。

「私は相談して来てくれる人が結婚できるためには厳しいことも言います。私の相談所に入らなくても構わない、という気持ちです。そうすると評価は低くなりがちではないでしょうか?」

 まったくその通りだ。ぜひ自分のスタンスを貫いてほしい。ただし、高得点を挙げた人が婚活者に媚びているとは言えない。適当に誉めるだけで具体的なアドバイスがないカウンセラーにも厳しい評価がつくことだろう。得点はあくまで参考ではあるが、自分のカウンセリングが現時点ではどれぐらい相手の心に響いたかを測る指標にはなる。

 結果は60点満点で5名全員が40点台の接戦となった。49点を獲得して総合優勝したのは最年少の志水里沙さん(Bridalチューリップ所属)。カウンセラーとしてのキャリアも1年半ほどと短いが、婚活カウンセリング回転寿司に3回連続で参加するという勉強家である。

「私は既婚者ですけど婚活者の方々よりも若いので、いきなりアドバイスをするのではなく、まずは共感することを大切にしました。私自身も婚活に苦労して、アプリなどをやっているだけでもエライ!と思っています」

 人間には感情があるので、同じことを言われても相手によって素直に聞けたり聞けなかったりする。自分の年齢や立場をわきまえて、相手が受け入れやすい関係性を作る努力をすべきなのだ。

30歳で令和婚をしたという志水さん。「婚活はいろんな人と会えて自分が成長できる機会です。辛いこともありますが、その先にきっといい人がいると信じて活動を楽しんでほしいと思っています」(筆者撮影)
30歳で令和婚をしたという志水さん。「婚活はいろんな人と会えて自分が成長できる機会です。辛いこともありますが、その先にきっといい人がいると信じて活動を楽しんでほしいと思っています」(筆者撮影)

相手に興味を持つ。自分の強みを言葉にする。これなら今すぐ実践できませんか?

 カウンセリング時間は1人につき10分間。志水さんは婚活者との関係性を即席で構築したうえで具体的な提案を心がけたと振り返る。その際、結婚相談所を勧めることはしなかった。

「結婚相談所という仕組みは優れていると私は思っていますが、(費用面や心理面で)ハードルが高いと感じている方もいるはずです。いま、ご本人が取り組んでいる婚活ツールで可能なことをお伝えしました」

 例えば、マッチングアプリに登録していても「申し込み」をまったくしていない人も少なくない。プロフィールでも自分の魅力がアピールできていなかったりする。それでは待っていても申し込まれることはないだろう。

「自分はどんな人と結婚したいのかを紙に書き出すのが第一歩です。すると、アプリの中でも会いたい人がピックアップできるようになります。ぜひ自分から申し込むべきです」

 では、冒頭の男性にはどのような言葉をかけたのだろうか。志水さんはマッチングが成立していること自体をまずは高く評価した。見た目を含めたスペックが悪くない証拠だからだ。ほとんどのマッチングアプリは男性ユーザーのほうが多く、誰とも会えないままで終わってしまう人も少なくない。彼の問題は、対人関係への苦手意識とプロフィールの書き方にあると志水さんは分析する。

「話すことに自信がないとのことでしたが、相手の女性は『私に興味を持ってくれていないのかも』と感じてしまっている可能性があります。上手に話すことよりも、相手をもっとよく知ろうという気持ちが大切です。同時に、自分の魅力や強みをもっとプロフィールに書くべきだと思いました。私たちのようなプロに聞き出してもらってもいいし、同僚などの周りから普段どう言われているのも参考になるでしょう。『真面目だね』といった評判も婚活には大いにプラスです。誠実だと評価されていると前向きに解釈して、きちんと書き出してください」

 自分のプロフィールを充実させておけば、それを読んだ相手も自分との共通点を見つけてくれるかもしれない。お見合いやデートの話題作りにもなる。会話に苦手意識があるならば、書き言葉でじっくり補えばいいのだ。

 上手に話そうとするよりも相手に興味を持つ。周囲からの評価を参考にして自分の強みを言語化する。今すぐ実践できるアドバイスだと思った。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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