長時間保育は悪なの?フルタイムに勤務形態を変えて実際に悩んだ保育士の話
こんにちは!保育士のはるです(@hr_hoiku)
以前Xで長時間保育のあり方についての論争がバズっていました。
「子どもに寂しい思いをさせている」「家庭で過ごす時間が短くなっている」といった長時間保育に対しての否定的な意見がある一方で、「子育て費用を捻出するために働かなくてはいけない」「親の長時間労働が根本的な問題である」といった声もありました。
個人的には根本的な社会の労働時間や子育て政策に対して思うところがあるのですが、そもそも「子どもの本当の幸せ」ってなんだろうという思いが一番にあります。
長時間保育が悪いわけでも、保育園に預けることが悪とも思っていません。ただ、今でも子どもを産んだ先輩が話したことだけは胸に残っています。
保育園で荒れた子ども
当時A先輩とは2歳児クラスで一緒に担任を持っていました。
A先輩は年長と2歳児の子どもがいて、この年から時短勤務をやめてフルタイム、早番や遅番といったシフトは免除だったものの、毎日8時~17時の勤務をされていました。
A先輩は子どもからも人気の先輩で、子育て経験があることから保護者からの信頼も厚い憧れの先輩でした。
運動会も終わった11月、私はA先輩と主任に呼ばれ職員室に向かいました。何かやらかしたかと思いひやひやしていたものの、最初に伝えられたことは「A先輩が時短勤務に戻ってもよいか」という確認でした。
朝一番に預けて、一番遅くに迎えに行く日々
A先輩が話したのはお子さんの話でした。
「フルタイムで頑張ろうと思っていたのだけど、通勤時間で1時間かかるから、子どもたちは7時から18時で保育園に預けているんだよね。最初は子どもたちも「一番乗り!」なんて楽しんで保育園に行ってたんだけど……夏前くらいから「保育園行きたくない」「なんでいつもお迎え遅いの」って言われるようになっちゃって」
休憩時間もA先輩からお子さんの話を聞いたり、実際にあったこともあるので、様子はなんとなくわかりました。
A先輩が土曜日の代休の日は保育園をお休みしておでかけをしたんだという話もよく聞いていたし、お土産をもらったこともあります。
「保育園に預けて保育園で働くって、それが今まで当たり前だったんだけど、やっぱり子どもがSOSを出してきたんだなっていうことが保育士やっているからこそわかっちゃって。フルタイムで働くことで子どもに負担かけてたんだなって思ったんだよね。だから申し訳ないんだけど、12月から1時間時短をとらせてほしいんだ。8時半から16時半になるし、はる先生には早番や遅番もやってもらって負担は増えちゃうんだけど……」
そういったA先輩の表情を今でも忘れられません。
子どもの本当の幸せとは
保育園に預けることが悪いこととは思っていないし、実際に我が子たちも保育園に預けて働いていたので感謝の気持ちしかありません。
とはいえ、こういった長時間保育の話がでるといつも思い出すA先輩の話。
上の娘が育休中に「いきたくない」「ママと赤ちゃんだけずるい!」と盛大なかんしゃくを起こし、穴という穴全てから液体を垂れ流してた姿を見た時に、ああ、あの時A先輩が感じたのもこれだったんだろうなと腑に落ちたことを覚えています。
家にいることが幸せなのか、保育園にいることが幸せなのか。それはきっと子供の性格によっても違うだろうし、家庭環境によっても異なると思います。
でもやはり、この仕事をしているからこそ、子どもの本当の幸せって何なのかを考えていかなければならないのではなないかなと思い、発信を続けています。