子どもに本当に必要なものは早期教育?愛着障がいという言葉を知っていますか
こんにちは!保育士のはるです!(@hr_hoiku)
小学校受験、中学校受験、知育に早期の英会話!などなど子どもをとりまく社会が変わってきたなと感じています。
出身が地方だからなのか?とも思いましたが、私の実家近くにも子ども時代にはなかった私立中学校が既に3か所、公立の中高一貫校まででてきたと聞いて驚いています。
保育園でも「ひらがなはやらないんですか?」「足し算くらい教えてほしい」と保護者の方から言われたことも実際にあります。
子どもにとって本当に早期教育は必要なのでしょうか。
子どもの自己肯定感を育てる!
保育園=保育、幼稚園=教育というイメージが強いかもしれませんが、2018年に保育所保育指針が改訂されてからは幼児教育の根底にあるものは一緒だと考えています。
乳幼児期に大切なのは、他の子より"早く"何かができるようになることではなく、「ありのまま」を認めてあげること。
子どもの中に安定した「愛着(アタッチメント)」を形成することを大切に感がています。
愛着って知ってる?
保育園の用語でも時折でてくる愛着(アタッチメント)「特定の人との心の繋がり」を指しています。
愛着は基本的には養育者である親とのつながりをさし、親子の愛着がその後の人生の人間関係や考え方に影響している……と言われていたのですが、最近は愛着形成を親だけではなく養育者(保育士や祖父母などメインで養育している人)でも良いと言われています。
確かに長い時間一緒にいる保育士の関わりも子どもに影響を与えるので、理由はわかるのですが……この愛着形成に対しての考え方にも、保育士と保護者の間で差異があり、長時間預かりの是非や休みの日の預かり問題に繋がっているのでは?と個人的には考えています。
愛着形成による効果
愛着形成がしっかりしていると、いったいどうなるのでしょうか。
- 安心感や信頼感の土台が形成される
- 自己肯定感が育まれる
- コミュニケーション能力や表現力が向上する
- 探索的な行動が増える
- 自発性や積極性が出てくる
- ストレスに強くなる
- 主体的、積極的に行動できるようになる
- 他者を尊重できるようになる
愛着形成は生まれてから5歳くらいまでに親との間に形成されることが多く、その後の心の成長・発達の土台となります。
愛着障がいを知っていますか?
愛着障がいとは、養育者との愛着が何らかの理由で形成されず、子どもの情緒や対人関係に問題が生じる状態です。
- 人に対して過度に警戒する「反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)」
- 過度になれなれしい「脱抑制型愛着障害」
この2種類があり、落ち着きがなく乱暴だったり強情で意地っ張りな姿が見られることから、時折発達障がいではないか?と誤認されることもあります。
保育園でも「あれ?これは特性かな、性格なのかな」と感じる気になる子の話をするときに、愛着形成はどうだっただろうかと振り返ることもあります。
愛着を育てるために大切なのは、他の子と比べて「早くできるように」することではありません。トイレトレーニングが早くできた!ひらがなを他の子よりも早く書けるようになった!はありのままの子どもには実は必要ないのかもしれません。
働いているから忙しい!だから子どもとの時間なんて取れない!ではなく、短時間でも子どもと向き合う。それだけで話は全く変わってきます。
子どもの「できた」だけではなく、子どもの「すべて」を受けとめる時間を作ってみて下さいね。