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大谷翔平が打った飛距離473フィートのホームランは「今シーズン最長」でも「本日最長」でもないが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホルヘ・ソレーア(サンフランシスコ・ジャイアンツ)Jul 21, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月21日、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、シーズン30本目のホームランを打った。スタットキャストは、この打球の推定飛距離を473フィート(約144.2m)としている。

 470フィート(約143.3m)以上のホームランは、そう多くない。今シーズンは、開幕から前日までに5本しか出ていなかった。推定飛距離の長い順に、6月18日に大谷が打ったホームランが476フィート(約145.1m)、4月1日にマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)が473フィート、5月9日にアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が同じく473フィート、6月24日にブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)が471フィート(約143.6m)、6月29日にルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)が470フィートだ。

 けれども、7月21日の大谷のホームランは、今シーズンの推定飛距離の2位タイではなく、3位タイに位置している。この日、ホルヘ・ソレーア(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が打ったシーズン11本目のホームランは、478フィート(約145.7m)を記録した。

 ソレーアは、2019年に48本のホームランを打ち、本塁打王を獲得している。昨シーズンのホームランは、36本を数えた。

 ただ、ソレーアが、478フィートのホームランを打ったのは、コロラド・ロッキーズの本拠地、クアーズ・フィールドだ。大谷の473フィートのホームランは、ドジャー・スタジアムだった。

 2015年以降にクアーズ・フィールドで記録された、470フィート以上のホームランは41本目。その最長は、2016年8月6日のジャンカルロ・スタントン(当時マイアミ・マーリンズ/現ヤンキース)と2022年9月9日のC.J.クロンによる、504フィート(約153.6m)だ。ソレーアの478フィートは、クアーズ・フィールドの歴代トップ15に入らない。

 一方、ドジャー・スタジアムで470フィート以上のホームランは、2015年5月12日に475フィート(約144.8m)のスタントンに続き、7月21日の大谷が2本目だ。

 今シーズン、大谷が6月18日に476フィートのホームランを打ったのも、クアーズ・フィールドだった。7月21日の473フィートは、クアーズ・フィールドを除くと、今シーズン最長タイのホームラン、ということになる。トラウトとジャッジは、それぞれ、マイアミ・マーリンズの本拠地とヤンキースの本拠地、ローンデポ・パークとヤンキー・スタジアムで473フィートのホームランを打った。

 なお、大谷の最長ホームランは、昨年6月30日の493フィート(約150.3m)だ。2015年以降、エンジェル・スタジアムにおいて、これ以上の推定飛距離のホームランは出ていない。

 7月21日時点のシーズン本塁打については、こちらに、15本以上の選手のリストを記載した。

「ジャッジに続き、大谷も「4年連続30本塁打」に到達。他に可能性があるのは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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