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筒香嘉智が入団するパイレーツの野手事情。一塁と三塁、レフトとライトのどこかに「空き」はあるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
筒香嘉智 May 22, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 筒香嘉智が、ピッツバーグ・パイレーツに入団するようだ。ピッツバーグ・ポスト-ガゼッタのマイク・パーサックや、MLBネットワークのジョン・ヘイマンらが報じている。

 パイレーツの外野には、レフトにベン・ギャメル、ライトにグレゴリー・ポランコがいる。2人とも、筒香と同じ左打者だ。ギャメルは右の太腿裏を痛め、8月6日から故障者リストに入っていたが、15日に復帰した。5月9日にクリーブランド・インディアンズから移籍後、71試合で打率.274と出塁率.349、6本塁打、OPS.782を記録している。ポランコは96試合で打率.201と出塁率.281、11本塁打、OPS.631だ。

 内野の両コーナーでは、コリン・モランジョン・ノゴウスキが一塁で併用されていて、三塁はキブライアン・ヘイズが守っている。5月に珍プレーをしでかした一塁手のウィル・クレイグは、7月に解雇された。ヘイズは6月に一塁を踏み損ねてホームランを取り消されたが、こちらは期待の若手だ。これらの椿事については、「打者が一塁の手前で「逆走」し、本塁と一塁の間に挟まれて…。その結果、走者は生還、自身は二塁へ」「ベースを踏み損ねた「幻のホームラン」が1日に2本。打った2人に共通するのはそれだけでなく…」で書いた。左打者のモランは57試合で打率.276と出塁率.340、6本塁打、OPS.771。右打者のノゴウスキは52試合で打率.233と出塁率.301、1本塁打、OPS.611(セントルイス・カーディナルスでプレーした19試合を含む)。こちらも右打者のヘイズは64試合で打率.255と出塁率.320、5本塁打、OPS.708だ。

 筒香にチャンスがあるとすれば、ポランコがいるライト、あるいはギャメルがライトに移ってレフトだろう。パイレーツがポランコと交わしている5年3500万ドルの契約は、今シーズンが5年目だ。この契約には2022年と2023年の球団オプションがついているものの、パイレーツは年俸1250万ドルで来シーズンもポランコを保有する代わりに、解約金の300万ドルを支払うはずだ。大きく負け越しているパイレーツが、オフにFAとなるポランコを起用し続ける意味はあまりない。

 ただ、筒香の契約の内容は、まだはっきりしない。パーサックは、マイナーリーグ契約の可能性が高いと書いている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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