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マイナカード、新デザインの前にやるべきことは?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:デジタル庁

KNNポール神田です。

デジタル庁は、マイナンバーカードの新デザインを公表した。

出典:デジタル庁
出典:デジタル庁

□デジタル庁は(2024年3月)18日、2026年にも導入する新しいマイナンバーカードのデザインイメージを公表した。券面から性別の表記を削除する方針を決めており、開会中の通常国会で関連法改正案成立を目指す。

□生年月日を和暦から西暦に変更し、氏名のローマ字表記も券面に記す。さらに、国の保証の下に発行されていることを明確化するため、券面に「日本国 JAPAN」と記載する方針。また、現在は表面にある臓器提供意思表示欄は、裏面に移る予定だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/be1064025922be1a09ccfa0ed95287002a55d7ec

■次期個人番号カードタスクフォース 最終とりまとめ

出典:デジタル庁
出典:デジタル庁

□券面に性別の記録がなくなる

□アルファベット、西暦での表記

□日本国 JAPAN の表記
https://www.digital.go.jp/councils/mynumber-card-renewal/58b82d5b-338d-4f5b-be7e-7b771135e2c3

これらの新デザインによる表記で、海外におけるIDカードとしての役割をになえるようになったことは大いに評価したい。

海外旅行などのシーンで一番こわいのが、パスポートの紛失や盗難だ。現金やクレジットカード以上に重要だ。大使館に駆け込み手配してもらい数日、滞在しなければならなくなる。
パスポートを持ち歩かずに、マイナカードだけで海外でIDとして利用できるのであればとても好ましい。

しかし、ここまで英文字を使うのならば、住所も英字併記で欲しかった。海外から発送する際にも本人あての荷物ということが明確になる。

■『マイナポータル』での紐づけを最大限に活用したい!

もちろん、マイナポータルなどから、『パスポート番号』と紐づけてもらえれば、期限切れになる前に、『SMS』やメールで期限切れの1年前から告知サービスも可能となることだろう。現在、『マイナポータル』から本人の『フリガナ』『メールアドレス』『携帯電話番号』は登録が可能。

特に、パスポートの出入国記録なども、保険医療費同様に、ログを管理できれば、日本にいなかった期間の証明や、自身の記録としても重宝することだろう。あくまでも希望者が『マイナポータル』で証明すれば、海外の経費なども、『確定申告』の際にまとめやすくなる。その期間やクレジットカードの締め日の円相場などで日本円との為替もわかればさらに便利だ。

もちろん、自動車運転免許証などとの紐づけも可能だ。あくまでも希望者のみだが、車検情報から自賠責保険、任意保険、重量税などとも紐づけ管理できればもっと利便性が高まることだろう。経費としての証明になるだろう。

希望する人には最大限の紐づけによる便益を供与すべきだろう。

震災などの『罹災証明』の発行だけではなく、支払手数料の発生しない『ゆうちょ銀行』への入金なども、紐づけがあれば可能とすれば、『マイナポータル』の活用は圧倒的に増えることだろう。
確定申告の個人への還付金にも、ゆうちょ銀行であればすぐという使い方も、十分に可能だ。
マイナンバーカードだから本人確認が迅速にでき、優先的に入金されるというならば、持たないほうが経済合理性にそぐわなくなる。


■臓器提供の意思表示は、あれど血液型はわからない


臓器提供などの意思表示欄は残るが、血液型などはわからない。万一の事故の際に臓器提供を判断するのは死後だ。存命中の場合は、血液型が『マイナンバーカード』で判断できると、命を救えるシーンも登場することだろう。
消防庁でも実証実験を2024年5月より、おこなうので、健康保険証と同様に扱えることによって、初期対応を変えることが可能になるはずだ。血液型もわかれば、輸血をすぐに開始できるかどうかの判断材料にはなるはずだ。

海外でも、日本国大使館で邦人の本人確認などもできるだろう。パスポートを紛失している人の個人を証明するのに運転免許などがなければ証明しにくい。

ただし、電話番号が記載がないので、本人確認が難しい点もある。個人情報を重んじるばかりで、券面に、電話番号や血液型がないのはもったいない仕様だった。

携帯電話番号があれば全世界どこからでも、SMSで連絡も可能だからだ。新カード発行ならば、希望者には、自費でも、生体認証を取り入れるべきかとも思う。

■Androidでは、スマートフォンに搭載が可能な機種も

現在、Androidのスマートフォン機種によっては『マイナンバーカード』を搭載できるようにもなっている。

むしろ、普段まったく必要のない『マイナンバー』こそ、ICチップに埋め込むべきだっただろう。実際にこの『マイナンバー』の13桁が漏洩したとしても、被害に遭う可能性は限りなく低い。むしろ、名前や住所、生年月日の漏洩の方が犯罪には大いに活用される。

また、自治体の運用なので、『現住所』を海外に『転出』してしまうと、マイナンバーそのものが消失してしまう仕様はいただけない。『邦人』としてのアイデンティティーは、外務省で管理すべきだろう。

そして、Androidのスマートフォンに一度搭載してしまうと、『マイナポータル』で子供や親族の処理をしようとすると、4桁の暗証番号ではねられる。

せめて未成年の子どものマイナンバーカードは親のスマートフォンで申請登録できるようにすべきだろう。
間もなく、運用10年目を迎えるので、新カードデザインはもっと、国民の声を聞きながら、ネーミング案もふくめて、早めに検討すべきだろう。

早めに決定しておけば、それなりに対応できる期間が増えてくる。
デザインは、富士山ではなく、日本の『日の丸』のほうが海外では理解されやすいことも絶対に重要だ。今後、移民の人が増えてきた時にも『国籍』保持者である証明になるはずだ。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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