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2階級制覇の37歳元世界王者が、23歳に勝利

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 スーパーフェザー、ライトの2階級を制した元世界王者、ランセス・バースレミー(37)が、オマール・フアレス(23)を判定で下して、自身30勝目を挙げた。スコアは95-95、97-93、98-92。これでバースレミーの戦績は(30勝15KO)2敗1分、フアレスは14勝(5KO)2敗となった。

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 判定が告げられた直後、会場はブーイングに包まれた。つまり、ファンの多くはフアレス勝利と感じたのだ。

 勝者は言った。

 「ファンのほとんどがメキシコ人で、フアレスを応援していた。それは理解している。でも、キューバ人ファンもいて、彼らは俺を応援してくれた。若いファイター相手に、頭脳を駆使して賢く勝とうとした。それで結果を出せた」

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 キューバから亡命し、2009年8月にデビューしたバースレミーは、2014年7月10日にIBFスーパーフェザー級タイトル、2015年12月18日に同ライト級タイトルを獲得した。

 が、2018年3月10日に催されたWBAスーパーライト級タイトル空位決定戦で初黒星、2019年4月27日に組まれたWBAライト級タイトル空位決定戦ではドロー、昨年7月30日のゲイリー・アントゥアン・ラッセル戦では6回KO負けと、ピークを過ぎた感は否めない。

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 バースレミーは結んだ。

 「タイトルマッチよりもゲイリー・アントゥアン・ラッセルとの再戦を望む」

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 敗者も話した。

 「正直なところ、勝つために十分なパフォーマンスを見せたと思っていた。今後は、次戦に向けて努力するのみだ。私はもっとアグレッシブに戦うべきだった。それが出来なかったのがミスだ」

 いかに批判されようとも、生き残った37歳の元世界王者。どんな道を歩んでいくか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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