中3生、高3生の塾・受験費を無利子貸付。入学したら返済免除はいいけど、連帯保証人は難しいのでは。
平成24年度子供の学習費調査「表6 学年別補助学習費」を見ると、学習塾の費用は家計にとって大きな負担であることが見て取れます。しかも、これは学校教育における費用に”加えて”の費用なので、まだ子供が小さい僕でも不安になります。
これだけの費用負担をするのは簡単ではなく、それでもなお、学習費を捻出するよう親は努力をしています。最新データではないですが、2010年度の同調査をもとに、朝日新聞が記事を出しています。
東京都では、一定条件を満たす中学3年生、高校3年生を対象に、塾費用や受験料に対する無利子の貸付事業である、東京都受験生チャレンジ支援貸付事業を行っています。
サイトを読んだとしても、内容や条件、必要要件などが複雑に感じることもあるため、受験生チャレンジ支援貸付事業区市町村窓口一覧を見て、対象エリアの窓口に電話をして聞くのが手っ取り早いと思います。
大半は社会福祉協議会が受任しているようです。実際に連絡をしてみたがよく理解ができない場合には、事業管轄である東京都福祉保健局生活福祉部生活支援課(窓口一覧資料左下に電話番号があります)に連絡をしてもいいと思います。
家庭の事情により、塾などに通うことができない、受験のための校数が限られてしまっている学生および保護者の方にとって、申請書類を集める負担はありますが、このような事業があるということがもっと知られるといいのではないでしょうか。
事業としては悪くないと思いますが、財源などの問題はありつつも、すべての中3生、高3生が活用できる仕組みであればもっとよいと思います。対処型ハイリスクアプローチより、教育を社会的な投資として位置づけるならば、ポピュレーションアプローチを取るべきです。最終学年だけでは不足することも考えられます。
当然、学習塾や補習塾が必要なのは学校教育のあり方を問うべきだという意見があるのも事実でしょう。子供達を中心に据えて考えれば、どちらが優先ということは一概に言えませんが、OSを入れ替えるようなダイナミックな動きと、子供達が直面する現実を少しでも改善するためのアップデートの繰り返しは、どちらも大切なものだと思います。
また「家庭教師」はNGということですが、個別指導の成果を強調している塾などもありますので、個々の子供達にとって一番よい機会となる活用方法が可能になるよう、エビデンスを集めながら、活用範囲が広がっていくのが理想です。
現在は(おそらく)単年度事業の継続型だと思いますので、保護者の状況如何に関わらず、すべての子供達がよりよい教育や学習機会を得られる仕組みや政策にしてくために、私たちがどのようにこの事業を活かして、次につなげていくためのアクションが起こせるのかが試されています。
気になるのは、ご利用条件・持参書類一覧にある「連帯保証人」の存在です。子供が塾に通う費用や受験費用を、無理しとは言え貸付を受ける。そのために連帯保証人になってほしい、というお願いをすることは非常につらいことだと思います。
ただでさえ、他人の「連帯保証人」になることは大きなリスクを伴うものであるということは、書籍や漫画、テレビなどで繰り返し伝えられており、金額の多寡に関わらず、この「連帯保証人」を前提とした貸付事業では、なかなか事業活用が広がらないのではないでしょうか。