秋田の魅力炸裂!地元の老舗だからこその和菓子「け」相性抜群のいぶりがっことチーズの魅力を丸く包んで
伝統食、というとやや堅苦しい印象もうけますが、昔から地元で食べていたもの、というとなんとなく親近感が湧き思い出しやすいのではないでしょうか。皆さんの記憶の中に、伝統食はありますか?
もしくは、伝統食と言わずとも全国的に普及している食品も沢山ありますよね。その中の一つが、いぶりがっこ。秋田県の特産品でもあり、スーパーだけではなく、KALDYや成城石井といったお洒落な食品雑貨店ではチーズやタルタルソースとあわせた逸品も定番になりつつあります。
明治20年創業、秋田県秋田市で和菓子を製造販売なさる「川口屋」さん。「お菓子を通じて秋田を楽しむ。(公式サイトより引用)」を掲げ、秋田の大地が育む食材を使用したお菓子を作っていらっしゃいます。
その中に、個人的にぜひ皆さんにお伝えしたい秋田の魅力がギュッと詰まった…いえ、弾けるとでも称したいお菓子があるのです。今回は川口屋さんの「け」をご紹介。
「け」というのは、秋田県の方言でして「召し上がれ」「おいで」「かゆい」を意味するとのこと。私の地元、青森県弘前市でも同じ方言があり、更に「ちょうだい」という意味も含まれています。
いわゆる焼き饅頭のようなお菓子になるのですが、開封して淡いベージュの肌がちらりと見えた瞬間、思わず目を見開いてしまうほどの薫香!!まごうことなき、いぶりがっこ…!
常温でも柔らかくスプーンのようが食べやすいかなという食感なのですが、私は冷蔵庫で冷やして食べるのがお気に入り。
中のチーズとそれらを包む皮の食感の違いが明確になるものの、双方どちらもよりしっとりとした潤いが増加。あっさりとした和菓子と馴染み深い皮の中には、塩気が効いたクリームチーズに刻んだいぶりがっこちらほら。
こちらのお菓子の好きなポイントとして、あえて「お菓子=甘い」にしていないところなのです。そのため、ほのかな甘みは勿論しっかり備わっているものの、いぶりがっこの香ばしさ、塩気、野菜らしい風味と時折姿を現すシャキッとした食感などが際立ち、いぶりがっこの魅力を伝えたい!という明確な意思のようなものがひしひしと一口目から伝わってくるのです。
チーズも旨味や酸味が効いていますが、しつこさは見当たらず。仄かな甘味も相まって、ちょっとユニークなチーズケーキのような余韻が不思議と心地良い。
ふと、キーボードを叩きながら思わず「ふふっ」と笑みが。白ワインや冷酒と合わせてたら間違いなく「優勝」だろうなぁ…なんて、昼間から幸せな現実逃避。
最後までご覧いただきありがとうございました。
柳谷ナオ
<川口屋・本店>
公式サイト(外部リンク)
秋田県秋田市大町1-6-20
018-862-4694
9時~16時
定休日 日曜