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瀬戸康史がライバル!? 男性も「若さ」が重視される時代

大宮冬洋フリーライター

TBSドラマ『私結婚できないんじゃなくて、しないんです』を毎回熱心に観ている。中谷美紀が演じる主人公の橘みやび(39歳の設定)は美容皮フ科医院を経営する医師。美人で独身だ。

みやびの恋愛対象として、今のところ3人の男性が登場する。まずは、徳井義実が演じる大本命の桜井洋介。高校時代にみやびと実は両想いだったのに成就しなかったという設定で、現在は総合商社で活躍しているハイスペック男性である。

2人目は、みやびが参加した婚活イベントで出会った中堅企業のサラリーマン男性の石田。鈴木浩介が演じており、すべてにおいて「普通」という設定だ。

最後は、瀬戸康史が演じる橋本諒太郎(26歳)。シェアハウスで暮らすカフェ店員であり、身軽で人懐っこい性格をしている。

ドラマは現在、みやびと同い年の筆者としては不可解な方向に展開している。みやびは「洋介を忘れられない」という理由で婚約者の石田に別れを告げる。しかし、その洋介を松井愛莉が演じる佐伯エリ(21歳)に奪われてしまう。そこまでは共感と納得をするのだが、洋介を失って傷ついたみやびが13歳も年下の諒太郎と付き合い始めるところで「なぜ?」と疑問を覚えてしまった。

諒太郎は若すぎるではないか。確かにイケメンで可愛げがあるけれど、将来性に不安があるし、安定感はまったくない。みやびとの結婚を生活設計を含めてちゃんと考えているとは思えない。諒太郎と付き合うぐらいならば同世代の石田と結婚すればよかったのではないか。

しかし、筆者の周囲のアラフォー女性の意見はまったく異なる。

「瀬戸くんがズルいほど可愛い。ソファの上でマンガを読みながらイチャイチャするシーンには胸がキュンキュンした。みやびの気持ちはすごくわかる!」

この感覚は、我々アラフォー男性が若くて可愛い20代女性に対して抱くものと似ている。筆者は先に「洋介をエリに奪われるくだりまでは納得する」と書いた。39歳開業医のみやびのほうが社会人としてはるかに頼もしい存在であるにも関わらず、21歳無職のエリに軍配を上げたことになる。ならば、アラフォー女性たちが20代男性と恋愛しても不思議ではない。

筆者は恋愛・結婚に関するインタビューをライフワークとしており、個人的に細々とお見合いおじさん活動もしている。筆者の好みもあり、インタビュー対象のほとんどは経済的にも精神的にも自立している男女だ。女性でも年収500万円以上あったりする。健康的に一人暮らしを続けていける収入である。家事などの生活力は男性よりも高いケースが多い。

経済的・精神的に自立をすると、年齢を重ねるにつれて、高学歴や高収入、リーダーシップなどは男性に求めなくなる女性もいるのだ。自分のキャリアや生活スタイルが確立しているため、プライドが高いハイスペック男性に従順さを要求されることを避けるのだろう。

「できれば結婚したいし、子どもはすごく欲しい。でも、好きになれない男性と無理に結婚したくはない。仮面夫婦のようになるぐらいならば、このまま一人で生きていく」

このように感じている独身女性は少なくないだろう。ならば、どんな男性ならば恋愛できるのか。本音のところを教えてほしい。そのためには、先日も本コラムで書いたように相手に求める条件を2つだけに絞ることが必要だ。

お見合いおじさんとしてお世話をしている女性に聞いたところ、2つしかない条件の1つとして「(見た目の)若さ」を挙げた(記事はこちら)。筆者は衝撃を受け、「本当にそれでいいの? 恋愛だけでなく結婚だよ? 目を覚まして!」とその女性の肩をつかんで揺さぶりたくなった。しかし、『私結婚できないんじゃなくて、しないんです』の瀬戸康史人気を考慮に入れると納得せざるを得ない。妥協して結婚して若いイケメンタレントを愛でる時代は終わり、実生活のパートナーにも若さを求める時代に突入しているのだ、と。ならば男性としても対策が必要となる。

我々アラフォー男性が瀬戸康史の真似をするのは不可能だ。無理に真似しても痛々しくなるだけだろう。といって、「オレはどうせおじさんだよ」とふて腐れてしまったら、本当におじさん臭くなる。

標準体重を大きく超えないような生活習慣を心がけ、髪型と服装はプロや女性のアドバイスを受け入れ、身だしなみ(爪・口臭・体臭・ふけ・鼻毛・耳毛など)に気を配り、できるだけ常に陽気で親切でいること――。女性は当たり前のように日々こなしているこれらのポイントに注意するだけでも、男性の見た目は若々しくなると思う。

女性にモテるためだけではない。これからも続く人生を健康的に爽やかに過ごすためにも、ある程度の「若さ」を保つ努力をしたい。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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