Yahoo!ニュース

FIBAワールドカップ直前インタビュー:エバン・フォーニエ「強みは我々の経験値とスピリット」

青木崇Basketball Writer
得点源としてフランスを牽引するフォーニエ (C)FIBA.com

 前回のワールドカップで3位、東京五輪で2位という結果を出しているフランス代表。NBA選手として11年のキャリアを過ごし、代表では得点源としてチームを牽引するエバン・フォーニエは、8月15日に行われた日本との強化試合で通算100試合出場を果たした。巧みなクロスオーバードリブルから3Pプレーとなるフィニッシュを決めるなど19分14秒間で10点を記録したフォーニエは、88対70のスコアで勝利した後、囲み取材に答えてくれた。その内容は以下のとおり。

Q あなたにとって3度目のワールドカップになります。大会に向けてここまでのプロセスはどんな感じでしょうか?

「どの大会でも同様だ。徐々に調子を上げていくこと、うまくいっていない部分への改善に取り組み続けながら、コンディションを整えるんだ。それに、我々には経験豊富な選手が揃っている」

Q フランス代表にとって最大の強みとは?

「恐らく我々の経験値、スピリット、長い間一緒にプレーしてきたことだと思う」

Q 今日が代表として100試合目の出場となりました。やはり特別な日になりましたか?

「そうだね。日本にいること、ワールドカップ直前に日本と対戦するというのはいいこと。気分はいいし、うれしい。代表チームとは長い年月を過ごしてきたからね」

Q 代表でプレーしてきた中で最も印象に残っている試合は?

「たくさんある。2014年のワールドカップでスペインをスペインの地で破ったこと、2021年に東京オリンピックでアメリカと決勝戦を戦ったことなど、いくつかあるね」

Q 個人的にあなたはニューヨーク・ニックスでかなり苦しいシーズンを過ごしました。それがワールドカップへのモチベーションをさらに高めているのでしょうか?

「そう言える。バスケットボールのゲームをまったくできていなかったわけだから、ワールドカップに出ることでモチベーションが上がったのは間違いない」

Q あなたから見て、フランスが国際大会で成功を収めている要因は何ですか?

「我々にはたくさんの才能を持ったいい選手がいる。いいコーチングスタッフに恵まれているし、お互いにプレーすることが大好きというのは大きい。だからいいチームスピリットがあるんだ」

Q トニー・パーカーがバスケットボールの殿堂入りを果たしました。あなたとフランスのチームにとっては、どんな意味がありますか?

「トニーはフランスのバスケットボール界におけるパイオニアの一人だ。彼が最初ではないけれど、フランスのバスケットボールに大きなインスピレーションを与えたのは間違いない。フランス人最初のガードとしてオールスターゲームに出場を果たし、NBAファイナルでも優勝できた。彼のことを思うとすごくハッピーだし、楽しいね」

フランスは東京五輪で銀メダルを獲得した強豪 写真提供:日本バスケットボール協会
フランスは東京五輪で銀メダルを獲得した強豪 写真提供:日本バスケットボール協会

Q チームの調子はどうですか?

「良くなってきていると思う。正直なところ、まだやるべきことはたくさんある。でも、試合中でさえ、良くなることはできる。だから、さまざまな逆境に直面したときに我々は適応しなければならないし、それが可能な限り前進する唯一の方法なんだ」

Q 改善点とは?

「正直なところ、ディフェンス面でもオフェンス面でもより団結すること。細かいところをより正確に、より良くすること。あとはコンディション。重要なのはトップの状態にすることだ」

Q ワールドカップでは金メダルを獲得することがすべてですか?

「コートに立つたびに、私はすべての試合に勝ちたいと思っている。それができれば金メダルを獲得できる。でも、目の前の1試合に集中しなければならない。我々には厳しいスケジュールが待っている。カナダに最初勝つことが大事で、それから前に進んでいくことになる」

Q 今日戦った日本の印象は?

「日本との対戦はいつでも難しいもの。なぜなら、彼らは違ったスタイルのバスケットボールをするからだ。どこにでもシューターがいるし、非常に速いプレーをするし、組織力もある。だから最初は、常に走っているように感じることもある。八村(塁)と(渡邊)雄太を欠いていたけども、彼らにはいい選手といいシューターがいる。彼らは我々をもっとハードワークさせるんだ」

Q あなたに対して日本が違う仕事をさせるということですか?

「そうだ。とにかくハードワークをしなければならない。(センターのムスタファ)ファルでさえ動き続ける相手を追い回さなければならないくらい、まったく違ったチャレンジを与えてくれるんだ」

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

青木崇の最近の記事