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プレシーズンゲームで貢献度上昇中。新天地秋田の指揮官も期待する日本人ビッグマン、土屋アリスター時生

青木崇Basketball Writer
(C)AKITA NORTHERN HAPPINETS

 2021-22シーズン以来となるB1チャンピオンシップ進出を目指す秋田ノーザンハピネッツは、タナー・ライスナーを除くフロントラインの選手がいずれも新戦力となった。外国籍選手のクリスチャン・メコウル、ヤニス・モランに加え、大阪エヴェッサから移籍した土屋アリスター時生に対する期待度が上がっている。

 東北カップ1回戦の岩手ビッグブルズ戦で17分44秒の出場で3点、3リバウンド。準決勝の青森ワッツ戦が19分22秒間で4点、9リバウンド(6本がオフェンス)、出場時間帯の得失点差が+19と、土屋は素晴らしい仕事をしていた。秋田の前田顕蔵コーチはローテーション選手になることへの期待、今季のカギを握る選手という認識の下、青森戦後にこうコメントした。

「本当に僕らのスタイルに合っていますし、ストレングスコーチの大塚(健吾)くんが体を大きくしてくれました。全然当たり負けをしていませんし、今日19分普通に出られて、その中で貢献度というのは非常に高かった」

 仙台89ersとの決勝戦は先発で起用されたものの、8分55秒間で1リバウンド、1アシストという数字に終わった。しかし、昨季が27試合で平均3分20秒、一昨季が32試合で平均6分36秒と、昨季までローテーション外の選手だったことからすれば、出場機会が増えてきている新天地の秋田では自身の存在価値を高める絶好のチャンスだ。

「“自分もやっぱ疲れることがあるんや”っていうのには、ちょっとビックリしています。あんまり疲れないと思っていたんですけど、さすがにこれだけプレータイムもらえると息が上がってくるというか、昨日も出たので、今日の最初は足がちょっと遅いなって思いました。その辺のリカバリーの部分は、もう少し考えなきゃいけないなと。最後の方は体を張って入れたんですけど、序盤からちょっとファウルが多くなった部分があるので、そこはもう少し意識することと、リカバリーのところもちょっと変えないといけないなというところはあります」

 青森戦後にこう語った土屋は、天皇杯も埼玉ブロンコス戦が14分52秒、ライジングゼファー福岡戦が1Qだけで5点を奪うなど20分9秒の出場時間を得た。3次ラウンド進出決定戦のアルバルク東京戦は試合序盤から劣勢になったこともあり、前半の出場時間が1分程度になってしまったものの、プレシーズンゲームと天皇杯を通じてローテーション選手として出場機会を得ている。

(C)AKITA NORTHERN HAPPINETS
(C)AKITA NORTHERN HAPPINETS

 秋田はこのオフ、ワン・ウェイジャに代わるアジア枠選手としてチャイニーズ・タイペイのガード、ガディアガ・モハマド・アルバシールを獲得。201cmの土屋がレギュラーシーズン開幕後もローテーション選手として計算できる存在になれば、外国籍選手の負荷を軽減できることに加え、ライスナーをスモールフォワードで起用することも可能だ。新天地における自身の役割について、土屋はこう語っている。

「最近は4番だけじゃなく、5番でも出ることが多くなってきているんですけど、外国人につくのが自分として慣れているわけじゃない。そこをやっていかないと自分としての価値はあまりないと思っているので、そこは体張って自分なりの守り方というか、全部が全部うまくいくわけじゃないです。体ぶつけるタイミングとかが外国人と日本人は違うので、少しアジャストしながらやっている部分があります」

 大阪教育大に在学中の2016-17シーズンに西宮(現神戸)ストークスの特別指定選手としてBリーグデビューを果たしたが、一貫した出場機会を得られない選手キャリアを過ごしてきた。しかし、跳躍力と機動力を兼備した日本人ビッグマンとして、秋田は土屋を貴重な存在と認識しており、そんな期待に応えようと土屋自身も奮闘の日々を過ごしている。

「落ち着いてプレーできるし、コーチが求めてることもうまくできていると自分でも感じています。もちろんミスはありますけど、そのあたりは日々修正して、次につなげられたらと思います」

 10月5日に行われる川崎ブレイブサンダースとの開幕戦では、ロスコ・アレン、アリゼ・ジョンソン、サッシャ・キリヤ・ジョーンズという外国籍選手とマッチアップすることが濃厚。能力の高い彼らを相手にしてもチームに貢献できれば、土屋にとって大きな自信を手にするはず。際立ったスタッツは出ないかもしれないが、出場時間が10分以上のローテーション選手になるという意味でも、土屋にとって大きな意味を持つ開幕戦になるだろう。

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

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