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パイレーツが打撃コーチを解雇。筒香は打ちまくっているが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
リック・エクスタイン Jul 29, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 筒香嘉智(ピッツバーグ・パイレーツ)がサヨナラ本塁打を打った翌日、パイレーツは打撃コーチのリック・エクスタインを解雇した。ちなみに、彼はデビッド・エクスタインの兄だ。上の写真からもわかるように、2人はよく似ている。

「日本人メジャーリーガーの「サヨナラ本塁打」は、筒香嘉智の逆転3ランが8本目」で書いたとおり、パイレーツに入団後、筒香は長打を連発している。ただ、今シーズンのパイレーツは、470得点と101本塁打、長打率.362とOPS.665のいずれもリーグ最下位。打率.233と出塁率.304はワースト2位だ。

 もっとも、この1週間前にサンディエゴ・パドレスが投手コーチのラリー・ロスチャイルドを解雇したのとは、意味合いが異なる。ここから全勝しても、パイレーツはポストシーズンには進めないはずだ。すでに83敗を喫し、負け越しが確定している。

 パドレスは、シーズンが終わるまで、ブルペン・コーチのベン・フリッツに投手コーチを務めさせる。それに伴い、キャッチング・コーディネーターのロッド・バラハスをブルペン・コーチとした。一方、パイレーツは、暫定であっても、エクスタインの後任を置かないようだ。来シーズンの打撃コーチを、今から探し始めるということだろう。

 エクスタイン解雇の前々日に、パイレーツはグレゴリー・ポランコを解雇している。こちらは、メジャーリーグ2年目の2015年からライトのレギュラーとしてプレーしてきたが、5年3500万ドルの契約は、今シーズンがその5年目だ。これについては「トレードで売り物にならなかった選手が、ノーヒッターを阻み、サヨナラ本塁打をもぎ捕り、決勝点を挙げる」で書いた。

 筒香との契約、ポランコとエクスタインの解雇。これらは、いずれも来シーズンに目を向けた動きに他ならない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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