[訃報]「ザ・ギフト」のヒットでもお馴染みの歌手イーディ・ゴーメさん逝去
主に1950年代から70年代にかけて活躍した女性シンガーのイーディ・ゴーメさんが亡くなりました。享年84歳でした。
アメリカでの報道は“ポピュラー・シンガー”、1960年代後半にはトリオ・ロス・パンチョスと共演するなど、スペイン語によるパフォーマンスでも知られる歌手でした。
一方で日本では「ザ・ギフト」がヒットし、ボサノヴァのリズムにのせた朗々たる歌声が人気の“ジャズ歌手”という認識が強いのではないでしょうか。
「ザ・ギフト」は彼女が1963年にリリースした『Blame It on the Bossa Nova(邦題:恋はボサノヴァ)』に収録された曲で、オリジナルは1959年にブラジルのジャルマ・フェヘイラという人が作曲したボサノヴァ作品。ポルトガル語の歌詞を英訳してイーディ・ゴーメさんが歌いヒットした、というわけです。
日本でこの曲が注目されたのは1980年代後半。JT(日本たばこ産業株式会社)のテレビCMに起用され、お茶の間にも広く彼女が歌うボサノヴァが浸透していったのです。
彼女自身はウィスパリングでのスロー・バラードから声を張ったリズミックなナンバーまで広いレパートリーをこなすエンタテイナー。確かにジャズの枠に収めるにはちょっと無理があるけれど、でも確実にジャズやボサノヴァに輝きをもたらしてくれた逸材でした。
ご冥福をお祈りします。