センバツ開幕! 大阪桐蔭 夏春連覇へ好発進
春のセンバツが開幕。昨年の優勝・龍谷大平安(京都)を先頭に、南から北に入場行進。
選手宣誓は敦賀気比(福井)の篠原涼主将(3年)で、「高校野球が始まって100年。戦争や震災などの困難を乗り越え、多くの皆さんに支えられて大好きな野球が出来ることに感謝します。全国の皆さんに生きていることを実感してもらえるよう、甲子園で精一杯プレーすることを誓います」と噛みしめるように宣誓した。
夏の王者が初日に登場
初日の第2試合に、夏の王者・大阪桐蔭が登場。秋の都大会優勝の東海大菅生と対戦し、8-0で完勝した。菅生のエース・勝俣翔貴(3年)はタテのスライダーが武器のタフな本格派。組み合わせが決まったときも、大阪桐蔭の西谷浩一監督(45)は、「見極められるか」とかなり警戒していたが、終わってみれば8-0の完勝。全くの杞憂に終わった。
相手エースを徹底マーク
西谷監督は、「勝俣君は打者としてもすばらしいので、早い回に打たせないことも徹底しました」と振り返ったが、初回の打席でエースの田中誠也(3年)がうまくタイミングを外して飛球アウトに打ち取ると、2打席目はライトの藤井健平(3年)が見事なポジショニングで大飛球に追いつく。
「(野手のポジショニングは)データ通りです」と西谷監督は胸を張った。攻撃では初回から藤井の先制打が出て、主導権を握る。3回にも藤井が2打席連続のタイムリーを放つと、下位打者にも連打が出て序盤で大勢が決した。いずれも四死球が絡んでいるが、勝俣も秋はここで踏ん張れていた。このあたりは大阪桐蔭の「違う」ところだ。「神経質なくらい準備しました」と初戦の大事さを知り尽くした西谷監督は話すが、それに応えられる大阪桐蔭の選手レベルは実に高いというほかない。きわどい球を確実に見切って、苦しまぎれにストライクを取りにくるところをことごとく狙い打った。それでも指揮官は満足していない。
経験者に敢えてプレッシャーかけて
「昨日の晩、主将の福田(光輝)、エースの田中、4番の青柳(昴樹)、藤井(いずれも3年)を呼んで、『勝敗を背負うくらいの気持ちでやれ』とプレッシャーをかけました」と明かした。去年から甲子園を経験している敢えて選手に奮起を促したのだが、「(4安打完封した)田中以外はまだまだですね」と西谷監督は表情を曇らせた。「福田なんか1年生から試合に出ていて、皆が主将に指名したぐらい一目置かれている。もっともっとやらないといけない」と厳しい言葉が続く。
明らかに夏春連覇を意識しているようだ。合格点をもらった田中も決して浮かれてはいない。「フォアボールもあったし、甘い球もあった。こんなんで満足してたらとても全国制覇はできない」とあくまでも上をめざす気持ちを口にした。
次戦は宿敵「光星」と
次の相手は、八戸学院光星(青森)。3年前に春夏の優勝を争った宿敵が待ち受ける。開幕試合では、九州学院(熊本)に終盤、集中打を浴びせて9-2で圧勝した。「色んな展開が考えられますね。向こうはピッチャーも多彩で誰が来るかわかりませんし、ありきたりですが、じっくり粘れた方が勝つ、ということになると思います」と次戦を見据えた。3年前も初日に花巻東(岩手)を倒して波に乗った。「初日に勝つと楽なんです。試合間隔が空きますから」と笑った西谷監督だが、「ウチと一緒で、今日は打線がつながっていましたね。これをどう分断するか」。ライバルとの対決に抜かりはない。