台風8号の次に日本を襲う9号と10号のダブル台風
台風8号が宮崎市上陸
令和元年(2019年)8月6日5時頃、本州の南海上を西北西進していた台風8号が宮崎市付近に上陸し、時速30キロとこの時期としては速い速度で九州を縦断しました。
台風8号は、強い風と雨の範囲が比較的狭かったため、強い風が吹き、強い雨が降ったのは、九州から四国西部の一部でした(図1)。
台風8号は、九州を縦断した後、朝鮮半島を縦断して8日朝には日本海北部で温帯低気圧になる見込みです。
温帯低気圧に変わるといっても、南から暖気と多量の水蒸気を持ち込んでいますので、台風8号から変わった温帯低気圧が接近・通過する北日本では、週半ば以降、大雨に警戒が必要です。
また、台風8号が北上した後の西日本から東日本は、おおむね晴れますが、台風8号が持ち込んだ暖気によって気温が上昇し、再度の猛暑が続きそうです。
午後は大気が不安定となって雷雨の可能性がありますが、山沿いを中心とした一部地域で、気温を下げる雨にはならない見込みです。
台風10号が発生して三つ巴に
台風8号が九州を縦断したあと、フィリピンの東海上にある大型の台風9号が発達しながら北西進し、強い台風となって沖縄県先島諸島に向かっています。
しかも、台風9号は、強い風や雨の範囲が広い台風に加えて、速度が遅い台風です。
台風8号以上に危険な台風です。
沖縄では、長時間にわたって、強い雨や風が続きますので、厳重な警戒が必要です。
また、8月6日15時にマリアナ諸島で発生した大型の台風10号は、発達しながら北上し、小笠原諸島に向かっていますので、小笠原諸島ではうねりを伴なった高波に警戒が必要です(図2)。
台風10号の発生により日本付近には台風が、3個存在していますが、3個存在というのは、毎年1回くらいありますので、それほど珍しい現象ではありません(図3)。
台風が3個同時に存在するのは、台風が多く発生する7月から9月です(図4)。
10日間予報によると
各地の10日間予報を見ると、3つの台風の動向によって大きく変わる可能性があるのですが、現時点においては、沖縄と東北地方で雨が続くのが目立ちます(図5)。
沖縄は台風9号などにより、南からの暖かくて湿った空気の流入が続くことで雨の日が多くなると考えられます。
また、東北地方の雨は、台風8号から変わった温帯低気圧が北日本を通過した後、北海道付近の秋の空気と、東日本から西日本の夏の空気の境目に前線が発生し、停滞することが考えられます。
北海道では最高気温が25度前後までしかあがらなくなり、秋の気配がではじめています。
さらに、8月11日以降は、傘マークや黒雲(雨が降りやすい曇り)マークが多くなっています。これは台風10号の影響です。
その台風10号の影響ですが、台風10号の動きが定まっていないことから、台風の進路によっては、10日間予報が大きく変わる可能性があります。
週半ば以降、台風9号、10号というダブル台風に警戒が必要です。
また、台風8号も、温帯低気圧に変わった後に、北日本に大雨を降らせる可能性があり、油断できません。
そして、台風が複数存在するときは、台風同士が相互作用することがあるなど、予報精度が悪いという統計もあります。
予報が難しいということを念頭に、常に最新の台風情報の入手に努め、警戒してください。
タイトル画像の出典:ウェザーマップ提供資料に著者加筆。
図1、図2、図5の出典:ウェザーマップ提供。
図3の出典:気象庁ホームページ。
図4の出典:饒村曜(平成11年(1999年))、台風物語、日本気象協会。