靴は自分で揃えなくてもいい?!出発前に知っておきたい旅館でのスマートな振る舞い
夏休みを間近に控え、旅行の計画を立てている方も多いはず。
ときには、日本の老舗旅館でゆっくりするのもいいですね。
日本家屋を基に作られた旅館は、独特の振る舞い方があります。
風情ある環境でスマートに滞在できるよう、旅館での振る舞い方について、お伝えします。
荷物の運びはお任せする
基本的に、大きな荷物の運びはお任せします。
玄関前に車を停めると、スタッフが出迎えて、そこから荷物を運んでくださることが多いです。このとき、仲居さんが女性であっても、仕事なのでお任せして構いません。とはいえ、重い荷物を運ばせるのは心苦しい、という場合「重いので、恐縮です」とひとこと添えるといいでしょう。もしくは、自分が男性であれば「これだけお願いします」と一部を渡し、仲居さんの負担を減らすのもスマートですね。
靴をそろえるのは、お任せしてもOK
玄関で靴を脱ぐときは、正面を向いて脱ぎます。
ありがちなのが、いったん背を向けてから、館内にお尻を向けて脱ぐしぐさ。これは、おすすめできません。正面を向いて脱いでから、振り返ってそろえます。
高級旅館では、靴を脱ぐと「どうぞ、そのままにしてください」と声をかけられます。その場合、揃えるのはお任せしてもOKです。とはいえ、あまりに見苦しい脱ぎ方はしないこと。
キャスター付きバッグを、直接、畳に置かない
キャスター付きバッグを、直接、畳に置くのは避けたいものです。
できれば、敷物を持っていくといいですね。旅館によっては、荷物を部屋に運び入れるときに、敷物を敷いて置いてくれることもあります。
床の間に物を置かない
床の間は、花や掛け軸を飾る、お客様へのおもてなしの空間です。ここにバッグやスマートフォンを置くのはNG。せっかくの旅館での滞在ですので、お部屋の風情も保ちましょう。
ちなみに、和室の席次は、床の間にいちばん近い席が上座、入り口にいちばん近い席が下座です。例えば、ご家族どなたかへのプレゼント旅行などでは、主役になる人に、床の間に近い席を勧めましょう。
心づけは必要?
心づけとは、お世話になることへの感謝の気持ちをこめて、仲居さんに渡す礼金のことです。
海外でのチップのようなものだとイメージしてください。
基本的には、宿泊料の中に「サービス料」が加算されていることが多いため、心づけを渡さなくても問題ありません。
通常のサービス以上の対応をしてもらった場合に、その感謝の気持ちを伝えたい、というときに、この心づけが役に立ちます。
例えば「対応時間外に送迎してもらった」「特別に子供対応のサービスをしてもらった」「体調をくずし、薬を買ってきてもらった」といったときです。
相場は、旅館のグレードやサービスの内容にもよりますが、2000円~5000円程度。
ポチ袋に入れて「お世話になりました。気持ちばかりですが、お納めください」とひとこと添えて渡しましょう。
以上、旅館でのスマートな振る舞いについて、お伝えしました。旅のお役にたちますように。
マナー・コミュニケーション研修講師
樋口智香子