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「3連覇はとても望外な結果」永瀬拓矢王座(29)防衛後コメント(1)

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

永瀬拓矢王座「(第4局は後手番で相掛かりを受けて立ち)途中までは作戦ではあったんですけど。(43手目)▲6六角のときにバランスを取りにいったつもりだったんですけど。▲6六角△9五歩▲4四角△同飛車という符号なんですけど。ただそれがバランスが取れてなかったとすると、少し、やはり課題なのかな、という感じがします。(そのあたりまで)作戦ではあったんですけど、現実には厳しいのかもしれない。(夕方ぐらいまでは)難しいとは思ってはいたんですけど・・・。そうですね、夕休の局面も(80手目)△8二銀打で、形勢自体はわかってはいなかったです。(先手の木村九段の方に間違いがあった?)そうですかね? まあでも、全体的には読み筋どおりというか。自然な進行なのかとは思ったんですけど。ただ結果的には先手に、ほかに有力な順があったのかな、という感じですか。(△8二銀打の局面は)いいとはまったく思ってはいなかったので。ただ代案がまったく浮かばなかったので。ちょっと、もう少し条件がわるいと詰んでしまうような王様なので。かなりギリギリなんですけど。ただほかの手が浮かばなかったので。少し下駄を預ける形にはなりますけど、勝負したという感じです。(第1局に逆転負けして、そこから3連勝)1局目がいちばんうまくいった感じではあったので。作戦としてはですけど。3勝1敗というスコアも初めてなので、初めてのスコアで結果を出すことができたのはよかったかなと思います。(前々期は3勝0敗、前期は3勝2敗)そうですね。しかないので。(第2局、第3局の内容は?)よくはなかった気がするんですけど、その中でベストを尽くせたんじゃないかな、とは思います。(内容がうまくいったのは普段の研究の成果?)そうですね、普段、準備という段階かなとは思います。(木村九段との将棋4局は)苦しめられる展開が多かったので、そこをうまくこちらも吸収できればとは思って指してはいました。(受けに強い両者が相掛かりになった)そうですね、少し攻撃的な戦型なのかもしれないですね。木村九段得意の戦型は相掛かりとの印象がありますので、先手番でしたら主軸になるんじゃないかな、とは思いました。(これで王座3連覇)そうですね、3連覇はとても望外な結果だと思います。内容を見るとかなりよくない点が多かったので、その点は修正して来期に挑めればと思います。(よくない点は)精度が高くないことが多かったのかな、とは思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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