Yahoo!ニュース

通年販売希望!溢れる旨味と香ばしさ「繁盛団子 あを佐」ほろ苦いアオサとお醤油が香ばしいお食事系団子

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

王道とは、いかに原点を巧みに表現できているか、という解釈の仕方もあると思うのです。

と申しますのも、昨今は胸がときめくような複雑な構成のお菓子が和菓子にも洋菓子にも増え、そういったお菓子に触れる機会も増えましたが、だからこそシンプルな味付にほっとするひとときが恋しくなるというもの。

今回のコラボ商品にはこういったシールがついてくるようです
今回のコラボ商品にはこういったシールがついてくるようです

先日より伊勢丹新宿にて、主に海藻類を販売・研究なさっている(同)シーベジタブルさんとの食と海藻の可能性を探求する企画にて興味を持ち、日本橋三越でもスタートしたというので早速。そちらで出会ってしまったのです、シンプルを追求したある意味日本の食文化の原点のような和菓子を。今回は榮太樓總本鋪さんとのコラボレーション商品「繁盛団子 あを佐」をご紹介。

繁盛団子「あを佐」
繁盛団子「あを佐」

まんまるなお団子は塩や砂糖が入っていないあっさり味
まんまるなお団子は塩や砂糖が入っていないあっさり味

組み合わせは醤油団子と青さという単純なものではありますが、だからこそごまかしがきかないお菓子でもあります。榮太樓總本鋪さんのお団子は、あっさりとしたコシヒカリのお団子。お米の旨味や甘味が際立つお団子ではありますが、榮太樓總本鋪さんのお団子はあえてあんこやタレといった要素をいかに引き立てられるかという部分に着目していらっしゃるので、お団子はあっさりとして歯切れの良いタイプ。その分、一本ずつ職人さんが焼き上げる焼き目の香ばしさや焦げ目が織り成す風味が活きています。

裏側にもこんがりとした焼き色が、絶景です
裏側にもこんがりとした焼き色が、絶景です

お団子はお醤油のキリッとした塩気から始まり、お団子を噛みしめていくたびに徐々にすっきりとした甘さが広がっていくので、気づいたらあっという間に一本完食していたということも。御手洗とはまた異なる、主食としての一面も持ち合わせていますね。

一片がこんなに大きなアオサは見たことがありません…
一片がこんなに大きなアオサは見たことがありません…

今回のメインでもある青さは「あつばアオサ」。実は、今回初めてあつばアオサというものを知りました。一般的なアオサはもっと細かく、いわゆるたこ焼きなどのトッピングとして最後に振りかけるイメージがあったのですが、こちらはふりかけるというよりは乗せると形容した方が相応しい、非常に肉厚で立派なアオサ。力強く澄んだ磯の薫香を口から鼻腔へと届けてくれると同時に、ひと噛みしただけで滲むほろ苦さ…いえ、これは大人の旨味といっても過言ではありません。
この苦味あってのあつばアオサ。もともとお塩も加えていないお団子なので、あつばアオサのミネラル分が塩気となり全体を華やかに引き締めてくれます。

大きなアオサを外してから余熱したオーブントースターで1分30秒、アオサを乗せて蓋を閉めて30秒置くと、とろりとしたお団子・濃厚なお醤油の焦げ目・ぱりっとしたあつばアオサが味わえます
大きなアオサを外してから余熱したオーブントースターで1分30秒、アオサを乗せて蓋を閉めて30秒置くと、とろりとしたお団子・濃厚なお醤油の焦げ目・ぱりっとしたあつばアオサが味わえます

お醤油とアオサ、そこへ焼き目の香ばしさが加わり、まさに和の三重奏を深呼吸と共に堪能いたしました。

元々日本橋にあった魚河岸での屋台にて商いをしていた榮太樓總本鋪さん。もしかしたら、同じようなお店ではこういった食べ方があった、かも…?そう思うと、なんとなくタイムスリップしたような気分にもなれたのでした。

※榮太樓總本鋪日本橋三越店限定・9月25日(水)~10月8日(火)予定(公式サイトより)
最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<榮太樓總本鋪・日本橋三越店>
榮太樓總本鋪公式サイト(外部リンク)
東京都中央区日本橋室町1-4-1日本橋三越本店 本館 地下1階
10時~19時30分
不定休

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

柳谷ナオの最近の記事