絶滅危惧種といわれた黒大豆をたっぷり包んで「越の家歌餅」拘りの黒蜜きなこと富山県産糯米のお餅の三重奏
和菓子に欠かせない豆といえば小豆。臙脂色の艶肌は炊き上げる前はきらめきを放ち、あんこに姿を変えた後のなんともいえない深い紫色へと姿を変える二つの姿を持ち合わせていますね。
それ以外にも白餡のもととなる手亡豆や、ずんだ餡の枝豆、豆大福にも入っているえんどう豆など、豆と和菓子は切っても切れない存在。
さて、富山県に本店を構える創業1838年の老舗和菓子屋「大野屋」さん。高岡ラムネという非常に愛くるしい姿かたちが人気を博している和菓子屋さんのラムネなどは世代を問わずお土産としても大人気なのですが、創業180周年を記念して作られた和菓子にも是非注目していただきたく。
今回は大野屋さんの「越の家歌餅」をご紹介。
一度は国語や歴史の授業で触れたことがあるであろう万葉集。その中の歌人としても有名な大伴家持は、かつて富山県にも国守として滞在していたこともあり、雄大な日本海や山々などの自然を綴った歌も多く詠んできました。菓銘はそのとおり、「やかもち」と読みます。
そして注目していただきたいのが、黒い粒粒入りのきなこ!こちらはかつて絶滅されたともいれていた幻の黒大豆「黒千石」という小粒の黒大豆を挽いたもの。一般的な同じ色味のきなこよりも、深みのある芳しさ。
そのきなこをたっぷりまとったお餅は、これもまた富山県産の糯米を使用しているとのこと。とろりと柔らかく噛み心地の良いお餅の中には、沖縄県産黒糖のソースがそっと包まれており、中にも丸ごと入っている黒千石とひとつに。
黒蜜きなこ、というともはや和菓子だけではなく最近はスイーツの世界でも定番ともいえる取り合わせですから合わないわけがなく、しかしそこにまるで天然石のような粒ぞろいの黒大豆が美麗な形のまま収まっており、より一層旨味と香ばしさ引き立つ味わいに。小柄なお餅ながらも、その希少性を知っていなくとも黒豆の魅力に惹きつけられそうです。
大人可愛いパッケージからは、一見その中身を推しはかることはなかなか難しいのですが、だからこそ黒蜜やきなこが好きという方にはもってこいのお土産かと思います。パッケージも複数あるとのことで、それぞれ別な模様でプレゼントしたくなりますね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<大野屋・高岡木舟町本店>
公式サイト(外部リンク)
富山県高岡市木舟町12
0766-25-0215
8時30分~19時
定休日 水曜(祝日を除く)