CS優勝の価値とプレーの可能性を向上させた柴崎の左サイドハーフ起用
チャンピオンシップ決勝で浦和を下し優勝を飾った鹿島。石井監督の采配で目を引いたのは、柴崎岳の置き場所だ。交代で出場した第1戦、先発を飾った第2戦とも、起用したポジションは左のサイドハーフ。
頭を過ぎったのは、デルピエーロだ。93−94シーズン、パドヴァからユベントスに移籍すると翌シーズン、10代でスタメンの座を不動のものにした。左サイドハーフとして、だ。
当時、マルチェロ・リッピ監督が採用した布陣は中盤フラット型4−4−2。80年代末からイタリアで流行し始めたプレッシングサッカーの代名詞と言うべき布陣だ。鹿島の4−4−2は、中盤フラット型と言うより、真ん中で構える2人の中盤選手が、両サイドハーフより若干、下がり気味に構えるが、それぞれは、ゲームメーカータイプの選手に最適なポジションが用意されていないという点で一致する。
イタリアではその後、プレッシングの流行が止まり、中盤フラット型4−4−2も衰退。後方で守るカテナチオが復活し、布陣も二等辺三角形を描きやすい守備的サッカーの定番と言われる3−4−1−2に変わっていった。
10番タイプの選手にとっては、歓迎すべき事象だった。2トップ下という、キャラにうってつけのポジションが誕生したからだ。
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