クラウドファンディングで、もう一度パラリンピックの大舞台へ!アイススレッジホッケー日本代表の取り組み
アイススレッジホッケーって?
日本は強いの?
アイススレッジホッケーは冬季パラリンピックの正式競技のひとつで、下肢障害を持った人のためのスポーツだ。
スレッジと呼ばれる刃が2枚ついた専用のソリに乗り、左右の手にスティックを一本ずつ持って氷上で得点を競う。ルールはほぼアイスホッケーと同じだ。ボディチェックが認められており、アイスホッケーに勝るとも劣らない迫力とスピードは、まさに「氷上の格闘技」そのものである。
アイススレッジホッケーは1994年リレハンメルパラリンピックで正式競技となり、日本は98年長野大会から4大会連続で出場。2010年バンクーバー大会では、優勝候補筆頭のカナダを準決勝で破って銀メダルを獲得した。この時、対カナダ戦としては実に8年ぶりの白星。一歩も二歩も前を歩いていたカナダに勝利するために、何年もかけて戦術を磨き、同じ釜の飯を食い、魂をぶつけ合いながらチーム改革を行ってきた地道な努力が結果につながった。メディアでは歴史的快挙として「バンクーバーの奇跡」と呼ばれたりもした。
国際試合に招待する2チームの渡航費の
半分をクラウドファンディングで調達
そんな日本代表が今、クラウドファンディングに挑戦している。クラウドファンディングとは、自分のアイデアに対してインターネット上で賛同者を募る仕組みで、来年2月に長野県で開催される大会にイタリアとチェコ代表チームを招待し、国際試合として成立させたいとしている。
実は、日本代表は14年ソチパラリンピックの出場を逃している。また今春の世界選手権で8位に沈み、Bプールに降格となった。選手の年齢層が高く(40代が多数)、もともと競技人口が少ないため世代交代に苦労したことなど複数の要因が挙げられるが、それを背景に何より大きな向かい風となったのは、費用面の問題で海外遠征の機会を得られず、国内強化の成果を試すことなく終わってしまったことだ。
その間、日本に代わってロシアなど国のバックアップを受けた勢いのある新しいチームが台頭し、世界の勢力図も変化した。ソチパラリンピック以降も世界の競技力はますます向上しており、一度遅れを取ってしまった日本は差を詰められずにいる。
2018年ピョンチャンパラリンピックで対戦する可能性が高いイタリアとチェコ代表との試合が実現すれば、日本代表にとっては試合勘を養う貴重な実戦の場となる。また、2020年東京パラリンピックで注目される夏のパラスポーツと比べて焦点が当たりにくい冬の競技であるアイススレッジホッケーの普及につながることも期待される。
日本アイススレッジホッケー協会の小山幸子マネージャーは、「これまで互いに切磋琢磨してきた仲であるイタリアとチェコ代表チームも、日本に来て試合することを楽しみにしていると言ってくれています。みなさんのご支援でなんとかこのプロジェクトを成功させたい」と話している。
プロジェクトの資金調達目標額は、招待チームの渡航費の半分に相当する380万円。期限となる11月末まで残り2週間となった15日現在で、237万8000円が集まっている。
■日本代表の須藤悟キャプテンのコメント
「日数も少なくなりましたが、個人だけでなく企業からのご支援もあり、目標金額到達も不可能ではないと思えるようになってきました。とはいえ、あと2週間で150万円のご支援がなければ、このプロジェクトも未達成となってしまいます。より多くの方に私たちの活動と取り組みを知っていただき、賛同を得られるよう、このプロジェクトの内容をSNSなどで拡散していただければ幸いです」
関心を持った方はコチラへ!