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【動画アリ】メルセデスAMG GTの4ドア版がデビュー【ジュネーブショー2018】

河口まなぶ自動車ジャーナリスト
写真は全て筆者撮影

 2018年3月6日、スイス・ジュネーブで開催されているジュネーブショー2018において、メルセデスAMGは同社の2ドアスポーツカー「GT」の4ドア版を発表した。

 メルセデスAMGが2ドアスポーツのGTを送り出したのは、2014年のこと。AMGが100%オリジナルで開発したこのスポーツカーはポルシェ911をベンチマークとして登場したのだった。登場当初はGTとGT Sの2モデルだったが、その後よりハイパフォーマンスなGT R、さらにGT Cといったモデルを加えたほか、ボディバリエーションとしてもオープン機構を備えたロードスターが用意された。

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 そうしたGTシリーズに今回加わった4ドア版だが、このモデルは2ドアのGTとは基本構造は全く異なるモデルとなっている。4ドア版のGTのベースとなっているのは、メルセデスAMG E63S4MATIC+ステーションワゴン。このモデルのシャシーを用いてさらに補強等を施してた上で、そこにGTオリジナルのボディを与えている。ちょうど同じ時期に登場したEクラス派生の4ドア・クーペであるCLSとよく似ているデザインと思えるが、CLSはトランクを持っているボディ形状なのに対し、このGT4ドアはハッチバック形状となっている点が大きく異なる。またこれによってサイドのウインドーグラフィックも全く異なるものとなっている。

 

 搭載エンジンは2種類で、先日日本で発表されたメルセデス・ベンツS450に搭載されているものと同じ、3.0Lの直列6気筒エンジンに電動スーパーチャージャーとターボを与え、さらに48V電源システムとモーターを加えたISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせ435馬力を発生するパワートレーンを搭載したAMG GT53S 4MATIC+。そして4.0LのV8ツインターボを搭載するAMG GT63 4MATIC+では、585馬力を発生。さらにAMG GT63S  4MATIC+では、639馬力を発生する。このAMG GT63S  4MATIC+では、0−100km/h加速タイムが3.2秒、最高速が315km/hとされている。

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 ではなぜ、今回4ドアのGTが必要だったのか? 話を伺ったAMGの代表であるトビアス・ムアース氏によると、

 「このモデルはとても重要な存在です。というのも、いままでこのセグメントは我々のラインナップ的には空白で、マーケットリサーチをしてもやはりこのセグメントに投入すべき車種が必要ということが分かっていました。我々としても、C63やE63、そしてCLS63に次ぐ4ドアのAMGを求めていました。そうした様々なものがアイデアとなって具体化したのがこのGT4ドアというわけです」

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 トビアス氏はさらに続ける。

 「ターゲットはポルシェ・パナメーラやアウディA7スポーツバック。しかしながら2ドアのGTのスポーツ性をしっかりと盛り込んでいるのが特徴です。快適性も手にしていますし、ファミリーユースもできます。しかしながらサーキットを走ることも厭わない性能が与えられています。ニュルブルクリンクの北コースのラップタイムは7分30秒台、かつてのSLS AMG7分45秒でしたから、あれよりも速い4シーターなのです。また2ドアのGT Rが7分6秒ですから、いかに速い4ドアであるかが分かるでしょう。さらにこの先2020年にはハイブリッドモデルが予定されています。そのほかにもさらにラインナップは広がっていきます」

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 これらのAMG GT4ドアモデルは、本国では今年の夏から販売が開始されるという。ポルシェパナメーラやアウディA7スポーツバックに対しては、スポーツ性の面でかなりアドバンテージがあるこのモデル、市場でどのように受け入れられるかも引き続きウォッチしていきたい。

 

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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