ロッテ、ソフトバンクの注目選手
800人以上いるプロ野球選手、その中にはまだまだ注目されていない逸材もたくさんいるはず。ロッテ・加藤、ソフトバンク・嘉弥真に注目してみた。
打てるスピードスター ロッテ・加藤
節目節目で本塁打を放つ持ってる男。
昨季、5月12日の楽天戦で63年ぶりとなるプロ初打席初球本塁打を放ち注目を浴びると、フレッシュオールスターでも先制の一発を含む3安打2打点の活躍でMVPを獲得。CSファーストステージの西武戦でも初打席で本塁打を放つ。ファームでも10本塁打を放っているが決して長距離打者ではない。本来は俊足が武器のスイッチヒッターで、91試合に出場し32盗塁と足でも結果を残す。
.800を超えれば一流と言われているOPS(出塁率+長打率)では.847を記録。一軍でこの数字に近いのが阪神・マートンと楽天・ジョーンズで共に.845。加藤は出塁すればワンヒットで2つ先の塁が狙える走力に加えて主軸が打てるだけの打撃力も併せ持つ。
ロッテ外野陣はサブロー、G.G.佐藤、神戸、岡田、荻野、清田、伊志嶺といった面々が競争を繰り広げ、規定打席に到達しているのは角中だけ。加藤と同じく足の速い選手も多く12球団の中でも競争は熾烈。
荻野、伊志嶺は1年目から1軍での出場が多かったが、加藤と同じく1年目にファームで鍛えたライバルの成績は
岡田 33試合 .226 0本塁打 4打点 OPS.538
清田 38試合 .276 4本塁打 15打点 OPS.758
となっている。
加藤が昨季ファームで残した成績は
91試合 .324 10本塁打 44打点 OPS.847
頭一つも二つも抜けている。
キャンプ視察に訪れた侍ジャパンの小久保監督も惚れ込む逸材が、先輩達をごぼう抜き出来ればロッテの外野陣は更に層が厚くなる。
大型補強の陰でブレイクを狙う ソフトバンク・嘉弥真
しぶくブルペンを支えた男。
プロ2年目の昨季、5月31日に1軍登録されると以降は安定した成績で1軍に定着。大差のついた試合での登板が多かったためホールド数は4と多くないが、終盤になるにつれ競った試合での登板も増えてきた。奪三振率は8.28と登板すればほぼ毎回三振を奪う数値を残す。
1イニング当たり何人の走者を出したかを示すWHIPは0.99。1.2を切ればエース級、1.0を切れば球界を代表する投手とされる指標で昨季のリーグ平均は1.32。パリーグで規定投球回をクリアしてWHIPが1を切ったのは楽天・田中のみ、救援投手でも40試合以上に登板しWHIPが1を切るのは4人だけ。
嘉弥真の投球内容は、WBC日本代表にも選ばれた左のリリーフエース・森福と比べても遜色ない。
森福
52.1回 防御率2.58 被打率.197 被本塁打3 奪三振50
嘉弥真
54.1回 防御率2.32 被打率.199 被本塁打0 奪三振51
今季は先発挑戦を首脳陣から打診されていたが、自主トレを報道陣に公開した際にはリリーフでの起用を希望していた。ソフトバンクには攝津という生きた教材がいるが、先発からリリーフに転向し成功した例に比べ、リリーフから先発への転向で成功した例は多くない。
対左打者の被打率は森福が.167で、嘉弥真は.149。森福との左殺しコンビがブルペンに控えていれば他球団にとっては手強いはず。大型補強の新戦力が注目される中で、細身の左腕がブレイクなるか。