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夏の風物詩・花火大会で「犬をしまえ 窓を閉めろ」のワケ

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イメージ写真(提供:イメージマート)

夏休みが、もうじき始まります。

コロナ禍で中止にされていた花火大会も催されるところが多くなってきました。やっといつもの夏の風物詩が戻ってきたと喜んでいる人も多いでしょう。

今日は、犬の「花火恐怖症」について説明します。

犬をしまえ 窓を閉めろ

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コロナ禍で犬を飼い始めた人は、犬のなかには、花火恐怖症の子がいることを知らない人もいます。

犬には、夜空にきれいに打ち上げられる花火の音や光が苦手な子もいるのです。飼い主のなかには、一緒に花火大会に連れて行くとか、窓を開けて一緒に見ることを楽しみにしている人もいるかもしれません。しかし、やめておいた方がいいです。

台風シーズンにSNSで盛んに投稿された「猫をしまえ」ではないですが、花火大会になれば、「犬をしまえ、窓もしっかり閉めろ」なのです。

犬の花火恐怖症とは?

犬の花火恐怖症とは、犬が花火の音や光に対して異常な恐怖を感じる症状です。

花火は犬にとって強烈な刺激となるため、多くの犬がこの恐怖症に苦しむ可能性があります。

花火恐怖症の犬は、花火の音や光を感知すると、以下のようなさまざまな身体的・行動的な反応を示します。

・震える

・逃げようとする

・隠れる

・噛みつく

・鳴く

これらの反応を示した犬はパニック状態に陥り、過度にストレスを受けることがあります。ひどい場合は、てんかん発作を起こして、命にかかわることもあります。

花火恐怖症の犬を助けるため

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イメージ写真提供:アフロ

花火に恐怖を感じている犬には、以下のような点に気をつけてあげましよう。

(安全な場所を提供する)

犬には、花火の音や光から遠ざかれる安全で快適な場所を用意してあげることが重要です。部屋の中やケージの中など、犬が好む場所を選んで、そこで過ごせるようにしましょう。

(音を遮断する)

花火の音を遮断するために、部屋の窓やドアを閉めたり、厚手のカーテンや遮音マットを使用したりすることが有効です。また、テレビやラジオなどの音を出すことで、花火の音を遮断できます。

(落ち着かせる方法を試す)

ブランケットなどで犬を包み込むことで、犬の不安を和らげることができます。そのときは、犬の傍らにいてあげましょう。

(薬物療法)

重度の花火恐怖症の犬には、獣医師の指導の下で薬物療法を検討することもあります。抗不安薬や抗うつ薬などが使用されることがありますが、これらの薬物は必ずしも全ての犬に適しているわけではないため、かかりつけの獣医師とよく相談しましょう。

まとめ

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4年ぶりに開催される花火大会、夜空の下で花火を見たい人もいるでしょう。しかし、犬の中には花火恐怖症の子がいることを知っておいてください。そして、花火大会などは、人が多くいるところに、犬を連れて行くのはおすすめできません。

花火の音やそのときの歓声などで、犬がパニックになり迷子になる可能性もあります。パニックになると犬が必死になるので、思わぬ力が働き、人を噛んだり逃げたりしてしまう可能性があります。

花火大会の時期は、犬と一緒にエアコンをつけて窓を閉めた部屋で過ごすことがいいようです。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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