「台湾で開発された新種のランがウクライナ(烏克蘭)と名付けられた」は誤り。白いランを染めたもの
「台湾で新しい種類のランが作られ、品種名が「ウクライナ(烏克蘭)」と名付けられた」との情報がTwitterで拡散していますが、誤りです。
セルギー駐日ウクライナ大使も誤りを再拡散
問題のツイートは個人アカウントが3月21日に投稿したものです。
「台湾で新しい種類の蘭が作られて、品種名を『ウクライナ(烏克蘭)』と付けられたそうです」という文章とともに、ウクライナの国旗と同じ配色のランの写真が紹介され、約7,700リツイートも拡散しました。
また、これを受けてかセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使も「台湾で新種の果樹園が開発されました。それはウクライナという名前です」と翌22日に投稿しており、こちらも約3,300リツイートされています(いずれも記事執筆時点)。
白いランを最新のナノテクノロジーで染めたもの
しかしながら、これらの「開発された新種のランがウクライナと名付けられた」との情報は誤りです。
台湾の蔡英文(さい えいぶん)総統がFacebookに投稿した内容によると、このランは新種ではなく「最新のナノテクノロジーを使って白いランを染めたもの」であるとのことです。
また、このナノテクノロジーは「(染色で)花に影響を与えることなく、開花期間を延ばすこともできる」との技術アピールがされています。
同様の内容は台湾のニュースサイト『フォーカス台湾』でも日本語で紹介されています。
『ウクライナ』と名付けられたかも不明
なお、このランの名前が『ウクライナ(烏克蘭)』と名付けられたかどうかも怪しい情報です。
蔡英文総統の投稿では「台湾の蘭はウクライナ!」と書かれていますが、「ウクライナと名付けた」とは書かれておらず、上記で掲載した『フォーカス台湾』も
と、花の「ラン(蘭)」とウクライナの中国語表記(烏克蘭)の「蘭」をかけたものだと説明されています。
台湾がウクライナを応援しているのは本当
とは言え、この話は台湾がウクライナ情勢を利用したというようなものではなく、蔡英文総統は同じ投稿のなかでウクライナへの物資や義援金の提供に感謝を述べているほか、さらなる支援も呼びかけています。
あくまでも「台湾で開発された新種のランがウクライナ(烏克蘭)と名付けられた」との情報が誤りであるという指摘です。