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カウンセリングで症状が悪化する、よけいに辛くなる。カウンセリングは意味がない。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、「カウンセリングで症状が悪化する」というテーマでお話したいと思います。

ときおり、「カウンセリングで症状が悪化する、カウンセリングに行って、よけいに辛くなってしまった」という声を聴くことがあります。

こういう場合、理由は二つ考えられます。
ひとつは、カウンセラーに問題がある場合
もうひとつは、カウンセリングで良くなるる過程において、避けては通れない場合です。


順番に解説します。
ひとつめの、カウンセラーに問題がある場合というのは、事実として少なくないです。
カウンセラーという職業は、本人が名乗ってしまえば、誰でもその瞬間からカウンセラーになれる…という側面があるので、中には良くないカウンセラーがいるということは否めない事実です。
大きな声では言いたくないのですが、良くないカウンセラーは少なからずいます。臨床心理士&公認心理師のダブルライセンスを持っているカウンセラーの中にも、少数ですが、良くないカウンセラーはいます。


長くなりますが、
「こんなカウンセラーは嫌だ!」と称して、いくつかご紹介したいと思います。

① 話を聴かないカウンセラー
意外に多いです。うなずきもしなければ、あいづちも打たない、笑顔も見せないカウンセラーです。これじゃあ、クライアントしては、壁に向かって話していると同じです。本当にけしからんことだと思います
もしくは、自分の知っている心理療法を使いたくて、自分の知っている知識や情報を喋りたくって、それだけに夢中になって、クライエントの話をまともに聞こうとしない、そんなカウンセラーもいます。


② 話を聞くだけのカウンセラー
こういうカウンセラーも意外に多いです。質問しても、答えてくれないのです。
きっと専門知識がないので、アドバイスが思いつかないのでしょう。


③ 喋りたくないことを、根掘り葉掘り質問してくるカウンセラー
こういうカウンセラーも多いです。「住所や職業や年齢、学歴や性体験があるかどうか? を教えてくれないと、カウンセリングできません」と言うのです。 なんのこっちゃです。


④ 通うことを強要するカウンセラー
こういうカウンセラーも多いです。「このままじゃ大変なことになる。通うべきだ。通わないといけない。通わないと、あなたは不幸になる。」と脅してくるのです。


⑤ 意味不明の料金を請求するカウンセラー
こういうカウンセラーも多いです。「ええっ、延長料金取るの? いつのまに? そんなの、延長した時、言ってよ!」「ええっ、心理テストって別料金だったの? そんなの、やる前に言ってよ!」


⑥ 自分の個人的な価値観や人生観を押し付けてくるカウンセラー
そういうカウンセラーに限って、「自分は信念を持ってやっている。壮大なる理念がある」とか言います。そんなカウンセラーからカウンセリングを受けているクライエントは、ホントいい迷惑です。クライエントの考え方まで歪んでしまいます。


⑦ クライエントと個人的な関係を持ちたがるカウンセラー
友だちがいないからでしょうか? それとも、自分の私生活がうまくいっていないからでしょうか? 「困ったことがあったらいつでも電話して来て」と言い、「親切なカウンセラーだなあ…」と思いきや、連絡しないとカウンセラーのほうから電話をかけてきたりします。これではどちらがカウンセラーだかわかりません。中には、異性のクライエントと恋愛関係になりたがったり、体の関係を迫ってくるカウンセラーもおりますが、言語道断(ごんごどうだん)です。


⑧ パーソナリティ障害のカウンセラー
「そんなカウンセラーがいるのか?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に、たくさんいます。カウンセラーという仕事は、いとも簡単に、「I lobe you(愛しています)」とか 「I need you(あなたが必要です)」とか言われる職業なので、愛に飢えた人が、この業界に入りたがるという側面は否めないと思います。
感情コントロールがほとんど出来ないカウンセラー、そしてそのことに気付いてさえいないカウンセラー、認知が著しく歪んでいるカウンセラー。私は、若いカウンセラーの指導をすることが多いので、そういうカウンセラーに出会うことが少なくありません。

以上です。


今言ったようなカウンセラーにカウンセリングしてもらうと、症状が悪化します。
悪いカウンセラーに引っ掛からないためには、元気なうちに良いカウンセラーを探しておくことが大切です。精神状態が悪くなってからでは、良いカウンセラーを見つけることが困難なので、このあたりは、非常に重要かと思います。

次に、

ふたつめの、カウンセリングで良くなる過程において避けては通れない場合ですが、
これもよくあります。たとえば、「アルコール依存症を治したい」と仰るクライアントに対しては、今までお酒の飲み過ぎによって失敗した数々のことを、思い出して、話してもらわなければなりません。クライアントからすれば、思い出したくもない、自分にとって過去の嫌な出来事を話すわけですから、よけいに辛くなる…ということは、治る過程において、ある程度避けられないことです。


その他、対人関係において苦悩を抱える人に対しては、ときに、忘れかけていた幼少期の頃(たとえば母親との関係)のことや哀しい出来事などを思い出さなければならないという作業が必要になることがあります。そういう場合も、一時的にカウンセリングで症状が悪化し、カウンセリングが辛くなります。


私は、カウンセラーとして、出来る限り、
クライアントに負荷をかけないよう、カウンセリングに通うことが負担にならないよう、
精一杯の配慮をしているのですが、全く痛みを伴わないでカウンセリングが順調に進む…ということは、やはり難しいです。そのあたりのことは、クライアントの方に、カウンセリングを受ける前に、ある程度は覚悟しておいて欲しいなぁ…と思う次第です。

私のカウンセリングルームには、私の見える位置に、一枚の紙が貼られてあります。
そこには、「常に『勇気を高める関り』をし続けること」と書かれてあります。クライアントが、カウンセリングルームをあとにする頃には、来る前より、勇気を持って生きていけるようになっていればいいなぁ…という私の願いからです。


いついつまでも、カウンセリングルームに訪れるクライアントの勇気と行動力に敬意を持ち、クライアントの苦悩に寄り添うカウンセラーでい続けたいと思います。

というわけで、今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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