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【高崎市】明治中期建造。箕郷地域で唯一残った水車「上芝の共同水車」は近代化遺産として貴重な文化財!

Takasaki_asagi地域情報ライター(高崎市)

山間の集落や古い町並みなどで水車に出会うと郷愁を覚えますね。
群馬県内では 六合村赤岩集落、みなかみ町・たくみの里、大間々町・小平の里などの水車が有名で観光がてら見学したことのある方も多いと思います。

今日は、高崎市にある「上芝の共同水車」をご紹介します。
こちらも立派な水車ですよ。

上芝の共同水車(高崎市指定重要文化財)

「上芝の共同水車」は高崎市箕郷町上芝にあります。(GoogleMap
幹線道路から外れた静かなこの場所に移転復元されています。

上流の早瀬川に水門を設けて水を取り入れ、水車がぐるぐる元気に回っています!

水車についての説明板があるので読んでみましょう。

高崎市指定重要文化財「上芝の共同水車」

この共同水車は、明治中期に建造され昭和三十年代後半まで周辺の人々に共同利用されてきた。
文化財指定を受けた後、建造当時のまま解体修理したものであり、近代化遺産として貴重な文化財である。
箕郷地域には明治時代の初め頃から水車が多く見られるようになり、最盛期には三十数基を数え昭和初期には十数基の水車が稼働していたが、その後消滅してその面影もない中で唯一残っていたものを平成九年十一月に復元したものである。
(高崎市教育委員会)


軽快に回転する水車のようすは動画でご覧ください!
水しぶきが陽の光でキラキラととてもきれいでした。

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水車小屋は木造茅葺1階建て。(東西:3間半 南北:2間半)
水車は昭和初期に一時 鉄車となりましたが、建造当時のままの木造で復元されました。

水車小屋は通常は施錠されていますが、高崎市文化財保護課に連絡して中を見学させていただきました。
(※見学については文化財保護課までお問い合わせください)


水車小屋の中は復元されたばかりのように感じました。とても立派ですねー!

精米や小麦の製粉に利用された上芝の共同水車のしくみについて

【精米】

  • 上芝の共同水車では、歯車を使い、芯(原動軸)を挟んで両側に4組ずつの杵・臼、合計8箇所 同時に籾すり・精米をすることができる →芯に歯車(万力)をつけ、2軸にしてある
  • 水車が回転し、小屋の中につながる芯(原動軸)が回転する
  • 水車が回転する力を利用して、芯についたなで棒が杵についた はご板を持ち上げ、なで棒がはご板から外れると杵が勢いよく落ち、臼の中の玄米をつく
  • 杵が臼にまっすぐ落ちるように上と下に杵通しがある
  • 臼の中の穀物をムラなく精米できるよう(米が臼の中で回転)に臼の中に輪を入れる
  • 精米後、ふるいで白米と糠を分ける

【製粉】

  • 小麦の製粉は、精米の臼杵の先にある歯車(万力)を使い製粉機で行う
  • 石臼で挽く。水車の動力を利用した せりあがりで繰り返し製粉できる仕組みがある

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近代化遺産として貴重な文化財である「上芝の共同水車」は、今日も元気に回っています!

静かな場所で水しぶきをあげて回る水車をのんびり眺めながら過ごすひと時も良いものです。
たまに水量が少ない時には止まることもありますが、これから川の水量が増える時期です。お天気の良い日に出掛けてみませんか?

撮影:2024/03
撮影:2024/03

【詳細情報】
上芝の共同水車(高崎市指定重要文化財)
住所:高崎市箕郷町上芝932ほか
駐車場:水車横の水路の柵沿いに3台分の駐車枠あり
 (ラインが消えかけていますがよく見るとわかります)

【お問合せ先】
高崎市 文化財保護課
公式HP
電話:027-321-1292

地域情報ライター(高崎市)

住むなら高崎!環境も便利さも安全性も最高!と満足しつつ、知らない土地へ旅に出ることが多かった過去十数年。Stay Homeを経て改めて地元高崎に注目してみたら魅力的で気になるスポットがたくさん増えていてびっくり! これからは高崎を旅するように歩いて、地元の魅力をひとつひとつ味わい尽くします。

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