オミクロン株による新型コロナの症状の特徴は?症状の頻度、症状のある期間、重症度、後遺症の頻度について
流行初期からオミクロン株は従来の新型コロナウイルスと比べて症状が軽いと言われてきましたが、具体的な症状の頻度、持続期間、後遺症の頻度などが分かってきました。
オミクロン株では感染機会から約3日後に発症する
従来の新型コロナでは感染してから発症するまでの期間(潜伏期)は約5日とされていました。
しかし、オミクロン株ではこの潜伏期が従来の新型コロナウイルスよりも約2日短くなっています。
国立感染症研究所の疫学調査ではオミクロン株の潜伏期は約3日となっており、99%の人が感染してから7日以内に発症しています。
また、感染者と接した場合も7日以上経った後に発症することは稀ということになります。
オミクロン株では咽頭痛、声のかすれ、鼻水が多い
オミクロン株では、のどの痛み、鼻水といった風邪やインフルエンザでもよくみられる症状の頻度が増えており、これまでの新型コロナに特徴的であった嗅覚障害・味覚障害という症状の頻度が少なくなっているという特徴があります。
イギリスで行われた、オミクロン株に感染した18万人の臨床症状に関する調査では、頭痛、のどの痛み、鼻水といった症状がオミクロン株の感染者の半分以上でみられた、とのことです。
また、携帯アプリを使った新型コロナ63000人を対象にした症状調査では、オミクロン株の感染者では鼻水(76.5%)、頭痛(74.7%)、喉の痛み(70.5%)、くしゃみ(63.0%)、咳(49.8%)、声のかすれ(42.6%)といった症状の頻度が高かったようです。一方で、いずれの調査でも嗅覚異常という新型コロナに特徴的な症状はオミクロン株では少なかったと報告されています。
オミクロン株では症状のある期間が短く、重症化しにくい
前述の調査では、症状が続く期間もデルタ株では平均8.9日に対してオミクロン株では平均6.9日と約2日ほど短くなっており、症状の種類もデルタでは約9種類の症状がみられたのに対してオミクロン株では約8種類と少ない傾向にありました。
また入院に至るのもオミクロン株の感染者の方がデルタ株の感染者よりも25%少なかったとのことです。
一方で、一部の重症化する人では、オミクロン株に感染した場合これまでの新型コロナウイルスよりも早く症状が悪化するようです。
従来の新型コロナウイルス感染症では、一部の人で発症から約1週間を境に重症化することがありました。
広島県健康福祉局からは、オミクロン株が主流である第6波の感染者では発症から中等症II(酸素投与が必要な状態)以上に悪化するまでの期間が3日の人が最も多かった、と報告されています。
これは、デルタ株が主流であった第5波のときよりも4日短くなっていることになります。
新型コロナでは発症してなるべく早いタイミングで治療を開始することで重症化を防ぐことができるため、これまで以上に早期診断・早期治療が重要になってきます。
後遺症が出現する頻度もオミクロン株では低い傾向が
また、後遺症が出現する頻度もデルタ株と比べてオミクロン株では少ないという報告も出てきています。
特にワクチンを2回接種した人を比較したところ、デルタ株では15.9%の人で感染から4〜8週間後も症状が続いていた人が15.9%いたのに対して、オミクロン株BA.1では8.7%と少なかったとのことです。
ただし、3回接種者同士を比較すると、デルタ株とオミクロン株の感染者どちらも頻度が少なく、差がなかったとのことです。
基本的な感染対策は続けていきましょう
このように、オミクロン株では症状のある期間も短くなり、重症化する人も少なくなり、また後遺症が残る頻度も少なくなるようです。
また、ワクチン接種が進み、治療薬の選択肢も増えてきていることもあり、徐々に新型コロナの脅威は後退しつつある有ると言えます。
しかし、第6波では亡くなる人の割合が減ったものの、母数となる感染者の数が圧倒的に増えすぎたため、亡くなる方はこれまでで最も多くなってしまいました。
行動制限の緩和が進んでいる中で、できる限り社会機能を維持しながら今後の流行の規模を小さくするためには、
・屋内ではマスクを外す時間をなるべく短くする
・3密を避ける
・こまめな手洗いを行う
という基本的な感染対策を継続的に行っていくことが重要です。
また、オミクロン株に対して感染予防効果が落ちていると言えども、ワクチンの効果は絶大です。
ワクチン接種をしている人は、していない人と比べて重症化しにくいことはもちろんですが、感染しにくいことも明らかです。
自分自身を、そして周りの人を守るためにも、引き続きワクチン接種をご検討ください。