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28歳でデビューした選手が最初の打席にホームランを打つ。この年齢は初打席アーチの上から何番目!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ウェストン・ウィルソン(左)とエドマンド・ソーサ Aug 9, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月9日、マイケル・ロレンゼン(フィラデルフィア・フィリーズ)がノーヒッターを達成した試合で、ウェストン・ウィルソンは「7番・レフト」としてメジャーデビューし、1打席目にホームランを打った。

 ウィルソンは、来月11日に29歳の誕生日を迎える。2016年のドラフトで、ミルウォーキー・ブルワーズに17巡目・全体501位指名を受け、昨シーズンまではブルワーズ傘下のマイナーリーグでプレーしていた。

 今年1月にフィリーズとマイナーリーグ契約を交わし、AAAの100試合で打率.260と出塁率.361、25本塁打と23盗塁、OPS.884を記録。8月6日にブランドン・マーシュが故障者リストに入り、ウィルソンがAAAから昇格した。

 最初の打席にホームランを打った選手のうち、ウィルソンの28歳と332日は、見落としがなければ、上から6番目の年齢だ。ハック・ミラーの31歳と70日(1944年4月23日)、ホイト・ウィルヘルムの29歳と272日(1952年4月23日)、ドン・レッパートの29歳と242日(1961年6月18日)、ルーク・スチュアートの29歳と77日(1921年8月8日)、クーノ・バラガンの29歳と73日(1961年9月1日)に次ぐ。

 ここには、2打席目以降の1打数目にホームランを打った選手は含めていない。例えば、1打席目が四球で、2打席目にホームランのようなケースだ。

 ウィルソンの上に位置する5人のうち、ウィルヘルムは殿堂入りしている。ただし、キャリアの最初から、野手ではなく投手だった。デビューから2登板は打席に立たず、3登板目の初打席にホームランを打った。通算本塁打は、この1本しかない。

 また、今世紀に入ってからデビューし、最初の打席にホームランを打った選手のなかでは、ウィルソンの年齢が最も上だ。2004年の開幕戦で先頭打者本塁打を記録した――1回表に初球を捉えた――松井稼頭央の28歳と166日を上回った。

 ウィルソンは、2打席目と3打席目に四球を選び、最初の四球後に二盗を記録した。今のところ、打率と出塁率は1.000、盗塁成功率は100%だ。

 なお、ウィルソンの初打席アーチとロレンゼンのノーヒッターと同じ試合で、ニック・カステヤノスは2打席続けてホームランを打ち、通算200本塁打に到達した。

 ロレンゼンのノーヒッターについては、こちらで書いた。

「ロレンゼンのノーヒッターにより、エンジェルスは「最も長くノーヒッターを達成されていないチーム」に」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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