８月９日、マイケル・ロレンゼン（フィラデルフィア・フィリーズ）は、ワシントン・ナショナルズを相手に124球を投げ、ノーヒッターを達成した。

　ナショナルズがノーヒッターを達成されたのは、モントリオール・エクスポズ時代の1998年７月18日以来だ。この試合は、ニューヨーク・ヤンキースのデビッド・コーンが、パーフェクト・ゲーム（完全試合）を成し遂げた。

　今シーズンが始まる前の時点で、30チームのうち、今世紀に入ってからノーヒッターを達成されていないのは、オークランド・アスレティックス、ナショナルズ、ロサンゼルス・エンジェルスの３チームだった。

　アスレティックスは、６月28日の試合で、ドミンゴ・ハーマン（ヤンキース）に完全試合を達成された。こちらは、ボルティモア・オリオールズの４投手、ボブ・ミラッキ、マイク・フラナガン、マーク・ウィリアムソン、グレッグ・オルソンに抑えられた、1991年７月13日以来だ。

　エンジェルスが達成されたノーヒッターは、ミネソタ・ツインズのエリック・ミルトンによる、1999年９月11日が最後。昨シーズンはエンジェルスで投げたロレンゼンのノーヒッターにより、エンジェルスはナショナルズに代わり、最も長くノーヒッターを達成されていないチームとなった。

　エンジェルスに次ぎ、このストリークを長く継続しているカンザスシティ・ロイヤルズは、2008年５月19日にボストン・レッドソックスのジョン・レスターにノーヒッターを達成されている。

　なお、ロレンゼンのノーヒッターは、先発64登板目。それまで、完投は一度もなかった。また、リリーバーとして継投ノーヒッターに名を連ねたこともない。

　ロレンゼンは、８月１日にデトロイト・タイガースからフィリーズへ移籍した。その２日後の試合でも、８イニングを投げて２失点と好投している。

　ちなみに、フィリーズの投手によるノーヒッターは、2015年７月25日のコール・ハメルズ以来だ。移籍２登板目にノーヒッターを達成したロレンゼンとは対象的に、ハメルズは、このノーヒッターがフィリーズでは最後の登板となった。６日後の７月31日に、フィリーズからテキサス・レンジャーズへ移籍した。

　ハメルズがメジャーリーグで投げたのは、2020年９月16日が最後だ。その後は、マイナーリーグでも登板していない。今年２月にサンディエゴ・パドレスとマイナーリーグ契約を交わしたが、今月上旬に引退を発表した。