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ラグビー日本代表NO8マフィ(NTTコム)、来年1月末から強豪バース(イングランド)に移籍決定!

斉藤健仁スポーツライター
ラグビーW杯のアメリカ戦でトライを挙げた後、喜ぶマフィ(写真:ロイター/アフロ)

2015年12月29日、イングランドのプレミアシップの強豪バースが公式HPで、「ナキ」ことラグビー日本代表NO8アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)の加入を発表した。

◇マフィの選択はフランスではなくイングランドだった

マフィはワールドカップ中から、フランスのプロリーグからオファーがあることを認めており、「移籍先がわかったら話すよ」と答えていた。また11月のトップリーグのカンファレンスでは、「自分を評価しているチームに移籍する」とも話していた。

そんなマフィが選択したのはスーパーラグビーでもなく、フランスリーグでもなくイングランド・プレミアシップの強豪バースだった。1865年創設の伝統あるクラブで、優勝回数は2位の6回。昨シーズンもリーグ戦を2位で突破したが、残念ながら、プレーオフ決勝ではサラセンズに敗れて準優勝に終わった。

そんなバースは、今シーズンは現在7位とやや低迷。来年2月からはシックスネーションズも始まり、イングランド代表選手らはリーグ戦と代表戦と両方とも戦わなければいけないため、マフィに白羽の矢が立ったと言えよう。

◇契約はトップリーグ終了後から、今季のプレミア終了まで

マフィの契約はトップリーグが終わった来年1月末から、イングランドの2015-16シーズンが終わるまでとのこと。トップリーグはもちろん、6月の日本代表としてプレーするにはまったく問題はない(2016-17シーズンは、そのままバースにいるか、他のチームやリーグに移籍するかもしれない)。

※追記:12月30日、NTTコミュニケーションズからもマフィのバースへの2016年2月~5月までの期限付き移籍が発表。

バースのHPでは「(マフィは)ダイナミックバックローで、ワールドカップで日本代表として活躍し、スコットランド代表、アメリカ代表戦でトライを挙げた」と紹介している。

またマフィはクラブの公式HPで「バースと契約することができて本当に嬉しく思います。バースのプレーを見るのは楽しいですし、バースに入ることは自分を成長させ続けるための一番の環境だと思いました。イングランドでの新しい挑戦も楽しみです。日本ですばらしい時間を過ごせましたし、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスのサポートもありがたく思っています」と話した。

バースのマイク・フォードHC(ヘッドコーチ)は「アマナキは、ワールドカップでのプレーを見ればわかるとおり、若い才能豊かな選手です。私たちは彼がバースのジャージーを着てプレーすることをワクワクしています。バースにすでに良いバックロー(第3列)の選手たちがいますが、私たちはいつもスコッドを強化することを考えていますし、アマナキの加入でより、競争の激しいポジションにおいて新たな選択ができるでしょう」とマフィ獲得の理由を説明した。

◇チームメイトにはイングランド代表や南アフリカ代表が在籍

昨年度2位のバースにはイングランド代表をはじめ各国代表選手がずらり。

イングランド代表だとPRデーヴィッド・ウィルソン、2015年シックスネーションズ得点王のSOジョージ・フォード、同大会トライ王のCTBジョナサン・ジョセフ、WTBアンソニー・ワトソンらが在籍している。さらにウェールズ代表SOリーズ・プリーストランド、スコットランド代表FLデービッド・デントン、リーチ マイケル(東芝/チーフス)の親戚のフィジー代表SHニコラ・マタワル、さらにマフィと同じバックローには南アフリカ代表FLフランソワ・ローもいる。

マフィは上記のような各国代表選手とともにバースをプレーオフ進出圏内の4位以上と押し上げることができるか。早ければ、マフィのプレミアデビューは来年1月30日のサラセンズ戦(アウェイ)か、2月6日のグロスター戦(ホーム)になるだろう。来年6月、再び、新しい指揮官の下、日本代表に選出され、一回りも二回りも成長したナキの姿が見たい!

◇プレミアシップとは?

プレミアシップの正式名称は「Aviva Premiership Rugby」。1987年からはじまったイングランドのトップリーグ。12チームによって、9月から5月末まで開催される。ホーム&アウェーの総当りのリーグ戦を戦った後、上位4チームによってプレーオフにより優勝が決まる。上位6チームは翌シーズンのヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ(旧ハイネケンカップ)への出場権を得る。最下位のチームは下部リーグへ自動降格する。2014-2015シーズンは、かつてエディー・ジョーンズ元日本代表HCが率いたことでも知られるサラセンズが4シーズンぶり2度目の優勝を遂げた。

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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