間もなくKICK Off! メッシ、アメリカで初タイトル獲得なるか
今夜、リーグスカップ決勝のホイッスルが鳴る。11試合で勝ち星のなかったインテル・マイアミに、リオネル・メッシが加入した途端、あれよあれよと勝ち進み、ついにファイナルの舞台に立つ。
同大会は、MLSとメキシコリーグを合わせたカップ戦だが、現在リーグで東地区ビリのマイアミが、メッシの加入で劇的に生まれ変わった。
決勝2日前の記者会見でメッシは、インテル・マイアミについて語った。
「僕にとって、信じられないほど快適なチームだ。ファンも、クラブ関係者も最高だよ。タイトルを獲得することによって、より多くのものが生きてくる。毎試合、サポートしてくれる素敵な人々に、安らぎと美を届けることが出来るんだ」
アメリカデビューとなったクルズ・アスル戦では、アディショナルタイムにFKで得点、その後のアトランタ・ユナイテッド戦、オーランドシティー戦、FCダラス戦でも2度ずつネットを揺らし、シャーロット戦、フィラデルフィア戦でもゴールを挙げた。カタールW杯で母国を36年ぶりの優勝に導いた背番号10は、目下、6試合連続ゴール中(計9ゴール)でリーグスカップ得点王争いのトップを走る。
称賛と同時に、米メディアからは「メッシにとってMLSは、引退ツアーに過ぎない」「アルゼンチンの背番号10は、バケーションを楽しんでいるだけ」なる論も聞こえる。
インテル・マイアミは、メッシのバルセロナ時代の僚友、MFのセルヒオ・ブスケツ、DFのジョルディ・アルバ、そして指揮官だったジェラルド・マルティーノも呼び寄せ、メッシがプレーしやすい環境を整えた。
確かにヨーロッパ5大リーグと比較すれば、MLSのレベルは落ちる。だが、縦に速く、スピード感に溢れている。一試合でボールがタッチを割ることがほどんど無く、スローインが極端に少ないサッカーは見応えがある。
今夜のインテル・マイアミの相手はナッシュビルSC。リーグで東地区4位と、好調だ。メッシ一行は敵地に乗り込んでのゲームだが、どう冷静に見てもマイアミが有利である。
インテル・マイアミをここまで飛躍させたのは、同クラブの共同オーナーであり、メッシを口説き落としたデイビッド・ベッカムという見方も出来る。元イングランド代表のキャプテンは、「メッシをマイアミに加入させたことは、人生最高の瞬間の一つだ。契約本決まりの電話を受けた折、オールド・トラッフォードのピッチに立った時のような感覚だった」と振り返る。
ベッカム自身が2007年にMLSのLAギャラクシーに入団したことで、イングランド代表のエースだった、ウェイン・ルーニー、イタリア代表のコントロールタワーだったアンドレア・ピルロ、スウェーデン人ストライカーのズラタン・イブラヒモヴィッチ等のスター選手が、その後アメリカでのプレーを選択し活性化した。
ベッカムから16年後にバトンを譲り受けたメッシ。今夜のファイナルでは、どんなプレーを見せるか。