決勝カード決まる 第25回全国高等学校女子硬式野球選手権大会準決勝(高知中央‐秀岳館)
第25回全国高等学校女子硬式野球選手権大会準決勝試合リポートです。最後まで気を抜けない展開と、第2試合も熱かった! 高知中央-秀岳館戦のリポートです。
【第2試合】 高知中央 2-1 秀岳館
高知中央 001 100 0 2
秀岳館 000 010 0 1
【バッテリー】
高知中央 和田―村中
秀岳館 森光、松尾、佐藤―栁口
先制したのは高知中央。3回表に1番・白坂葉夏さん(2年)が内野安打で出塁すると、5番・細川美彩輝さん(1年)のタイムリーで1点を入れます。4回には白坂さんの三塁線への打球を相手守備のエラーの間に、二塁走者8番・谷脇小梅さん(3年)が生還し追加点をあげました。
秀岳館は、5回に1点を返した以外にも、序盤からチャンスをつくりましたが、併殺などで得点には至らず、高知中央・和田千波留さん(2年)の力投の前に屈しました。
まだみんなと一緒に野球ができる
7回を一人で投げ切った和田さんは、被安打10で1失点と粘りの投球を見せました。勝った瞬間は「甲子園へ行ける!って思ったことと、まだみんなで野球ができる、嬉しい」と思ったいいます。今日の内容については「毎回ランナーを出す苦しいピッチングだったのも高めに浮いていたから。打者によって、投げ分けられるように調整したい」と分析していました。
甲子園で投げることについては、「まだイメージできない」と言いながらも「(女子硬式野球部)一期生である3年生の先輩たちが、ずっと日本一を目標に掲げていて、あと一つまでにまで迫ってきたので、がんばって次も投げたい」と意気込みを語りました。「いつも支えてくれている家族、応援してくれている地域のみなさん、グランドを整備してくれたりと支えて下さっているみなさん、ありがとうございます。甲子園で勝って日本一になるので、応援よろしくお願いします!」
本当は嬉しくて泣きそうだった
先制打を放ったのは、1年生の細川さんでした。前の打席もチャンスで回ってきましたがショートゴロに倒れていただけに、この打席では「先輩方がまた良い場面で自分に繋いでくれたんだから、今度は絶対に打つ!と思い」打席に立ったといいます。打った瞬間、手応えを感じたという打球は、見事、一二塁間を抜けていきました。
実は、本大会はここまで「いっこも打ててなかった」だけに「正直、嬉しくて泣きそうになりましたが、涙が出ないようにガッツポーズ」したそうです。
決勝戦では「相手のピッチャーが良いだけに、何度もチャンスは来ないと思います。一度のチャンスで結果が出せるように、がんばりたいです」と意気込みを話してくれました。
高知中央・西内友広監督の談話
「どちらが先制点をとるかがポイントだったところ、うちが先にとれた。細川は1年生ながら、腹が座っている。クリーンナップを任されても、重圧に感じていないのででしょう。どうしても3,4番に厳しい攻めがくる分、5番の細川が打ってくれると攻撃に厚みがでる。彼女が来てから、非常に打線が組みやすくなった。
男子の指導経験もあるけれど、僕は、男女に関係なくメチャクチャ走らせますしバットも振らせます。人より走って、人よりバット振って、たとえそれで結果が出なかったとしても、そこは最低限やるべきことだと思うから。そうやって、彼女たちを鍛え上げてきたことが、こうして決勝まで駒を進められた要因でしょう」
「正直、甲子園で決勝戦を戦うイメージが、今はまだ、全く湧いてきません。どこであろうとも大切な試合であるには違いないから、特別どうこう思わないようにしているからなのかもしれない。ただ、うちの選手たちが、最後に『自分たちがやってきたことは間違いなかったんだ』と思えるような試合ができたらいいなと思う」
わずか1点差に泣いた秀岳館
ここまでチームを引っ張て来た、栁口恵莉果主将(3年)は、試合後、「悔しいけれど、全員が一つになって最後まで笑顔で戦えたので良かった。最後まで諦めませんでしたが、相手投手は変化球が良くて打つ崩すことができず、1点が届きませんでした」と話しました。
先発した森光唯さん(3年)は、先制を許した場面、「真ん中へ入ってしまいました」と悔やしそうに振り返りました。ブルペンでは調子が良かったと言いますが、いざマウンドへ立つと「緊張が中々とれなくて、独り相撲をとってしまった」と、最後まで修正しきれず苦しかったと明かしました。
5回に1点返上のタイムリーを放った1番・東菜々美さん(3年)。「私まで繋いでくれたので、何とか1点を」と打席に向かいました。が、緊張がぬぐいきれず思わずベンチを振り返ると「みんが笑顔だった」。仲間を見て落ち着くことができ、ヒットを打てたと話しました。
(写真は全て筆者撮影)