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阪神の強さは「四球」にあり!? 452四球は最多、277与四球は最少。どちらも2位との差は40以上

宇根夏樹ベースボール・ライター
阪神甲子園球場 September 14, 2023(写真:アフロ)

 9月14日、阪神タイガースは、4対3で読売ジャイアンツを下し、2005年以来のリーグ優勝を決めた。

 今シーズン、阪神がここまでに挙げた504得点(1試合平均3.94得点)はリーグで最も多く、374失点(1試合平均2.92失点)は最も少ない。それぞれの2位は、得点が486(平均3.77)の横浜DeNAベイスターズと読売ジャイアンツ、失点は450(平均3.52)の中日ドラゴンズだ。

 ただ、阪神の防御率2.61はリーグ1位だが、打率.247とOPS.674は3位と4位。71本塁打と265長打は、どちらも、中日の61本塁打と253長打に次いで少ない。中日もそうだが、阪神のホームランも、読売の半数に満たない。読売は、152本塁打を記録している。

 阪神の打撃スタッツで目につくのは、四球の多さだ。452四球(四球率9.2%)は、2位の東京ヤクルト・スワローズと46の差がある。あとの4球団は、325未満だ。多くの四球を選ぶことにより、阪神はリーグ1位の出塁率.324を記録している。こちらは、2位の東京ヤクルトより14ポイント高い(.001=1ポイントとして表記)。

 阪神で規定打席に達している6人中、打率のリーグ・トップ10にランクインしているのは、6位の近本光司(.290)と7位の中野拓夢(.289)の2人だが、四球率のトップ10には4人が並ぶ。大山悠輔が1位の15.7%、近本が4位の11.8%、佐藤輝明が6位の10.8%、中野は7位の8.9%だ。

 シェルドン・ノイジー木浪聖也は、15位と16位の6.7%。28人の真ん中に近い順位からわかるように、際立って低い四球率ではない。6人に次いで打席が多い、森下翔太梅野隆太郎の四球率は、8.2%と11.2%だ。

 また、阪神は、打者の四球が多いだけでなく、投手の与四球は少ない。四球で出塁させた相手の打者は277人。あとの5球団の与四球は325以上だ。2番目に少ない横浜DeNAでも328。阪神より51も多い。敬遠による与四球を除いても、阪神以外の5球団は300を超える。

 こちらは、村上頌樹伊藤将司が、リーグ2位と3位の与四球率1.01と1.35を記録している。彼ら以外に100イニング以上の3人は、大竹耕太郎が0.63、才木浩人が2.73、西勇輝は2.04だ。阪神でイニングの多い5人中4人が与四球率2.05未満、ということになる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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