最高裁における不起訴合意の念書は無効の判断 各社どう伝えたのか#専門家のまとめ
被害救済が一気に広がるような最高裁裁判所の判決が、旧統一教会問題において示されました。
教団による悪質な献金勧誘が明らかになるなか、教団側は高齢信者に不起訴合意の念書をとっていました。22年11月の衆議院予算委員会でも取り上げられて、岸田文雄首相は「法人等が寄付の勧誘に際して、個人に対し念書を作成させ、あるいはビデオ撮影をしていること自体が、法人等の勧誘の違法性を基礎づける要素の一つとなる」と答えていますが、行政に続いて司法でも「念書は無効」の判断がなされました。各社どのように伝えたのかをみてみます。
ココがポイント
▼1審・2審の教団側の勝訴判決を破棄して念書無効、高裁への差し戻しに、国民感情にかなった常識的な判断をしたとしています。
・<主張>旧統一教会上告審 念書無効の判断は当然だ(産経新聞)
▼救済の可能性が広がる意義は大きく、返還請求を諦めていた人たちにとって、希望をつなぐ判決となったとしています。
・社説:教団「念書」無効 被害救済につなげたい(京都新聞)
▼念書を書かされた高齢の元信者も先祖の因縁で不幸になるとの恐怖心から、周りから指図されてやったことが沢山あったと話します。
・「返金は求めない」念書無効の最高裁判断 富山県内の元信者は “統一教会”高額献金めぐり(KNB北日本放送)
▼旧統一教会問題を放置してきた政治の責任は重いとして、泣き寝入りしている被害者救済を加速させねばならないとしています。
・<社説>教団「念書」無効/被害者救済を加速させよ(神戸新聞)
エキスパートの補足・見解
旧統一教会は会見などで、2009年以降コンプラアインス宣言にて法令遵守をアピールしてきました。しかし裏では返還請求や損害賠償請求など「裁判上・裁判外を含め一切行わない」ことを約束させる念書を書かせて、元信者ら被害者に返金を諦めさせるような行為をしていました。その念書に対して最高裁からは「公序良俗で無効」との厳しい判断が出されました。旧統一教会が、真に教団改革を標ぼうするならば、この判決を重く受け止める必要があります。