新入社員には禁句!「やりがいを持て」「やりたいことを見つけろ」「仕事は楽しくやれ」
「キミがやりたいことは何だ?」
大人たちは、すぐにそう問いかける。特に新入社員に対しては、そうだろう。
「やりがいを持つことが大切だ」
「自分が好きな仕事を見つけろ」
「仕事は楽しくやれ」
しかし、こういった問いかけやアドバイスが必ずしも正しいわけではない。では、なぜそれが間違いなのか。図解を交えて解説していく。
<トピックス>
■ストレスと成果のバランスについて
■仕事の楽しさについて
■仕事に対する好意的な感情について
■やりがいを感じる時期について
■目標達成と幸福感について
1.ストレスと成果のバランスについて
新しいことを始めるときは、特にそうだが、最初は慣れることを目指すべきだ。たとえば、読書習慣や学習習慣、アウトプット習慣、行動習慣などがある。
良い習慣を身につけている人ほど、新しいことに慣れるまでの時間が短い。そのため早く成果を出せるのだ。
このストレスと成果のバランスについては、常に意識しておこう。
2.仕事の楽しさについて
「どうせ仕事をするなら、楽しんでやろうよ」という人がいる。あなたも言われたことはないだろうか。
しかし、「楽しい」というのは感情の一つ。「嬉しい」や「喜ばしい」と同じである。
つまり「どうせ仕事をするなら、喜んで(嬉しく)やろうよ」と言われているのと同じことなのだ。「楽しい」というのは、結果論であり、楽しもうと思って楽しむものではない。
そう受け止めたら、「どうせ仕事をするなら、楽しんでやろう」という問いかけは、おかしなものだとわかるはずだ。
3.仕事に対する好意的な感情について
「やりたいことは、ないのか?」
このように問いかけられても、まったく気にすることはない。
私どもの新入社員研修でよく使われるテーマを紹介しよう。それは、「マスト→キャン→ウィル」というものだ。
「やらなければいけないこと」をやると、「できること」が増えていき、「やりたいこと」が見つかる可能性が高くなるす。最初から「やりたいこと」がなくてもまったく問題はない。
「やりたいこと」「好きなこと」は、後から偶発的に見つかっていくものだからだ。
4.やりがいを感じる時期について
昨今「やりがい」という言葉も盛んに使われるようになった。この言葉も気をつけて使いたい。
「やりがい」とは、過去を振り返って「やった甲斐があった」という感情を指す。なので、やる前に感じることはできないのだ。
やりがいを覚えるのは、大きな困難を乗り越えて成果を出したあとに覚える感情である。
「やった甲斐があったな~」
と心から漏れる感情が「やりがい」なのだ。
5.目標達成と幸福感について
私が最も伝えたいことは、幸せは「達成」してから味わえるものではなく、達成できると確信を持てるようになった時に味わえる、という事実である。
長いトンネルを走り続けて、やっと抜けそうな時に向こう側の光が見えてくると、最も高揚する瞬間だ。この感覚を多くの人に味わってほしいと思っている。
明確な目標を決めて、絶対達成する習慣を身につけていこう。