ノルウェー国会議長が訪日 首相や天皇陛下と会談、家族・男女平等政策を伝えに
ノルウェー国会議事堂の建物が、2016年3月5日で竣工から150年周年を迎えた。3日、国会議事堂での公式祝典後、取材に応じた人物は、ノルウェーの国会議長オーレミック・トンメセン氏だ(保守党)。国会議長は、ノルウェー国王の次に最も地位の高い位とされている。議長は、3月4~9日、二国間関係の強化のために日本を公式に訪問予定。
「あと1時間後には、国会を出発し、東京行きの飛行機に乗る予定」と楽しみにしていた。
首相以上の高い位につく国会議長による、最後の日本公式訪問は2000年(国会広報によると、2005年にも別の議長がさっぽろ雪まつりを訪れたが、公式訪日には含まれない)。今回の訪問は、今年の日本・ノルウェー間の最も重要な会談になるとされている。
天皇陛下、安倍晋三首相、大島理森 衆議院議長との会談に加え、東京、京都、広島を訪問予定。日本で活躍するノルウェー産業関係者や日本の政治家と交流する。東京にあるオスロ発のカフェ「ノルウェージャン・アイコンズ」のショップのオープニングにも4日に参加予定。議長団には、第二~五副議長の4名も含まれる。
「私にとって、日本の訪問は今回が初めて」と議長は笑顔で語る。「主に政治的な会合が多い公式訪問なのですが、京都で日本文化を体験できることが嬉しいです。日本食はあまり詳しくないのですが、寿司はおいしいですよね。ほかの日本食を食べることも楽しみです」。
ノルウェーの家族政策を、日本の政治家に説明予定
「我々が話すテーマのひとつは、家族政策。ノルウェーがどのように家族政策を導入してきたのか。日本の政治家の方々は、幼稚園や育児休暇など、その支援制度やシステムがとても気になっているようです。日本では、出生率が低下し、この分野において課題があるようですね?」
「ノルウェー側としては、貿易関係、また産業やイノベーション分野の協力において、話し合いも進めていきたいと考えています。ノルウェー水産業にとって、日本は巨大で重要な市場です」。
国会議長は、今回は他国には立ち寄らず、日本のみを公式訪問し、ノルウェーに帰国予定。
※この記事はノルウェーでの取材慣習に基づき作成されています。議長発言個所のみ、インタビュー後に議長広報リーダーによる内容確認・一部修正がされていますが、客観性は担保し執筆しています。
Photo&Text: Asaki Abumi