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【宮城県 東松島市】江戸時代の名残を体感!約380年以上前の外国船監視所 [宮戸地区]

Molly Chibaフリーランスライター(東松島市・宮城郡・塩竈市)

1639年日本では鎖国対策のためにポルトガル船の来航を禁止するなど、海外との交流に制限をかけていた時代があった。実は、その時代の名残が宮城県東松島市の宮戸地区にひっそりと存在し、近年そこは景勝地の一つとなっている。
今回は前回(以前の記事)に引き続き、宮戸地区の大浜にある歴史を感じる景勝地「大浜唐船番所跡(おおはま からせん ばんしょあと)」をご紹介していこう!

大浜唐船番所跡がある場所は、宮戸島の下部に位置する「大浜(おおはま)」の大浜海岸から、徒歩で山の中を登った頂上にある。実は、途中までの道のりは前回の記事でご紹介した「むろの木」と同じ道順となる。そのため、ここでは「むろの木」を起点として、そこから先の道順を写真と共にご紹介していこう。是非、ご興味ある方は前回の記事も併せてご参照いただけると幸いだ(※前回記事はコチラ)。

さて、樹齢約700年という「むろの木」のすぐそばには道案内の看板があり、まずはそこに記載されている「大浜唐船番所跡」の方向に向かって進んでいこう。距離は「0.1キロメートル」とあり数字で見ると短く感じるのだが・・これが意外と大変な上り坂!

足元を見ると、地面は岩と土が混合されている低めの階段道。たくさんの落ち葉と、生き生きとしている雑草たちが左右から迫ってくるので、急足で歩くと滑る恐れがあるので十分に気をつけて歩こう。

「むろの木」から上り坂を進んでいくと、約5分程度で上記写真の東屋(あずまや)が目の前に見えてくる。そこが頂上であり目的地の「大浜唐船番所跡」だ。
時間としては決して長時間ではないのだが、これが上り坂のため結構足腰に効くのだ(筆者は翌日筋肉痛に)。もちろん個人差はあるが、歩き進める前に少しストレッチをしておくことをおすすめする!

頂上にはシンボルマークの杭が建てられていて、そこからの眺めは天気が良ければ石巻方面までぐるっと眺望出来るほどの高さ!(撮影当日は残念ながら雨模様だったため、美しい写真が撮影出来ず読者の皆さんには申し訳ない)

江戸時代に外国船を監視していた場所だけあって、見通しの良さは抜群。望遠カメラなどがあれば、実際にどのくらいの距離まで捉えることが出来るのか試したくなるほどだ。約380年以上も前におそらくここで数人が海上を見つめ『あれはなんだ!?』など言いながら、目を凝らし海外からの船舶をチェックしていたのだろう。日本の長い長い歴史の一部が、ここ宮戸の大浜に存在するのだ。

なお、現在では季節柄周囲の木々たちが大きく成長し、海景色の中に山々の存在感が大きくなってきている状況だ(2023年8月時点)。美しい海の一部は木々に隠れてしまっているが、これもまた「2023年の大浜唐船番所跡」の風景であり、味わい深いものがある。

眺望のほかにも、昭和43年に「宮城県文化財保護協会」によって建てられた記念碑があり、そこにはこの「大浜唐船番所跡」と「むろの木」についての説明文が簡単に記載されている。是非、訪れた際にチェックしてみて欲しい。ちなみにこの石碑の奥には腰掛けられるベンチが設置されているのだが、周辺には雑草が生い茂り足元が見えずらいのと、滑りやすくなっているため訪れた際には十分に注意しよう。(※高さがあるため柵ギリギリの場所や、崖の付近は非常に危険なので近づかないようにしよう!)

今回は、宮戸地区の大浜にある歴史を感じる景勝地「大浜唐船番所跡(おおはま からせん ばんしょあと)」をご紹介してきた。前回の「むろの木」と共に、宮戸地区の大浜に残る文化財を楽しんでみるのはいかがだろうか?写真と実際はやはり迫力は全然違うので、多くの方にぜひ現場を体感してもらえたら嬉しい限りだ。くれぐれも怪我のないように、安全で素敵な夏の冒険をみんなで楽しもう!

名称:大浜唐船番所跡(おおはま からせん ばんしょあと)
住所:宮城県東松島市宮戸大室

フリーランスライター(東松島市・宮城郡・塩竈市)

Molly Chiba|日本出身|2022年2月からフリーランスのライターとして独立。日本と英国を拠点に活動中。日本国内の地域ニュースやコラムのほかに、日・英のサッカーに関するコラムを『Football Tribe Japan』に執筆中。2024年8月の「地域クリエイターMVA(Most Valuable Article)」を受賞。珈琲と自然と動物が好きです。

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