Twitterの”やめる力” フリート終了「Twitterの画面、こんなに広かったっけ」と寂しさも
Twitterが8月3日(米国時間)、表示期間限定の投稿ができる「フリート」を終了した。終了は7月に予告していた通りだ。
だが、Twitterの画面の上部に常に表示されていたフリートのアイコンが消えたことで、日本では8月4日朝から、「Twitterの画面が広くなった」といった投稿が相次ぎ、「Twitterの画面」がトレンドに入った。
ただ、Twitterの画面の上部に常に表示されていたフリートのアイコンが消えたことで、「Twitterの画面が広くなった」といった投稿が相次ぎ、「Twitterの画面」がトレンドに入った。
フリートは、24時間限定で投稿が公開される機能だ。日本では約9カ月前、2020年11月にリリースされたばかり。米Facebookが運営するInstagramでヒットしているストーリーズと同様な機能を、Twitterも取り込んだ形だ。
Twitterは当時、フリートの狙いについて、削除しない限り残りつつけるツイートよりも気軽に、目の前のできごとや今の気持ちを投稿できると説明していた。
だが、実際の投稿は、その狙いとはかい離していたという。Twitterは今年7月、フリートの実態について、このように総括している。(Twitterのブログより)
ライトユーザーにより気軽に投稿してもらい、アクティブ率を上げる狙いで投入されたとみられるフリートだが、実際は、ヘビーユーザーほど利用する、というギャップがあったということだ。終了を即断したのは、こういった使い方が、Twitterのビジネスにとって、メリットがないと判断したのだろう。
ただ、ユーザー全体から不評……というわけでもなく、毎日のように投稿するユーザーもいた。ただ、利用率が低いため、相対的に企業アカウントによる投稿が目立ってしまうなど、フリートを投稿しない・見たくないユーザーにとっては、少し“目障り”だったかもしれない。
フリートしたユーザーのアイコンは、スマホ版Twitterの画面トップに投稿され、かなり目立っていた。フリート終了に伴い、そのエリアがなくなり、画面が縦に広くなった。
このため、日本時間の8月4日朝から「Twitterの画面が広く感じる」「少し寂しい」「ドラえもんが未来に帰った後ののび太君みたいだ」などの投稿が相次いだ。
Twitterの1日当たり利用者数は世界で2億人を超え、Twitter社の時価総額は6兆円に近い。この規模のグローバルプラットフォームで、新機能を実装したりやめたりする決断は、簡単なことではない。
実際、日本の大手Web企業でも、利用者が減った機能でも、なかなかやめづらい……といった声を聞くことは多い。大手のみならず、中小企業でも、「やめる」決断は難しい。
だが、Twitterはまるでベンチャー企業のように、新機能を実装したり、ダメならばあっさりやめたり、を繰り返している。
1年も満たずに終了したフリート機能だが、巨大企業であるTwitter社が、いまだに柔軟な開発ができる体勢を維持し、機動力を保っているとういうことも同時に感じさせる、鮮やかな引き際だったとも言える。