台風17号は東へ急カーブ、しかし新たな熱帯低気圧が発生し北上か?
台風17号は東へ急カーブ
台風17号がすぐ近くを通った小笠原諸島の父島では、きょう27日(火)午前2時43分に33.4メートルの最大瞬間風速を観測しました。
台風17号は、きょう午前7時現在、小笠原諸島父島のすぐ北の海上へ進んでおり、このあとしばらく北上した後、北緯30度付近からは東へ急カーブを切るでしょう。あす28日(水)は日本の東を速度を上げて北東へ進み、日本からは一気に遠ざかっていく見込みです。(関連記事)
新たな熱帯低気圧が発生し北上か?
台風17号が遠ざかるとともに新たな熱帯低気圧が発生し、日本の南へ北上してくる見込みです。
タイトル画像をみると、台風17号、台風16号の他に、フィリピンの東の雲が低圧部と解析されています。低圧部とは周囲より気圧が低く、低気圧性の循環は見られるものの、その中心がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心がハッキリ推定出来るようになると熱帯低気圧、いわゆる台風のたまごに呼び名が変わります。
気象庁が発表している予想天気図では、上述した低圧部が北西方向へ進み、あす28日(水)午後9時には、北緯20度付近で、熱帯低気圧が発生する予想です。
なおこの熱帯低気圧のその後の動向を様々なモデルで確認すると、30日(金)頃にかけて、沖縄方面を指向する計算が多く、活発な雨雲が沖縄方面にかかる計算もあります。ただ今のところ、台風とみられる勢力に発達する計算は少ないものの、不気味なのは熱帯低気圧が北上する海域の海水温が再び上昇してきていることです。
海水温は再び上昇傾向
先週19日(月)の海水温の状況をみると(上図左)、一時大型で猛烈な勢力となった台風14号などの影響により、海水が大きくかき混ぜられたため、沖縄の南付近は28度前後まで下がっていました。
ところがその後、ゆっくりと上昇をはじめ、おととい25日(日)には29度以上に復活してきています(上図右)。新たに発生が予想される熱帯低気圧はこの29度以上の海域を北上するとみられ、台風が発生、発達するには十分な温度に上昇しています。
ただ熱帯低気圧は太平洋高気圧の真ん中に取り囲まれるような形となり、上昇流が抑えられるような予想にもなっているため、この海水温だけで発達を予想するのは困難な状況です。今後も最新の情報に注意願いたいと思います。