二刀流・大谷、勝利貢献度1位で自身初のメジャー月間MVPの有力候補に
ベーブ・ルース以来100年ぶりとなる、メジャー1位の本塁打数を記録している選手が先発登板して勝ち投手となる快挙を成し遂げたロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。1072日ぶりの白星を手にして、今季初勝利を記録した。
4月26日(日本時間27日)の時点で、投手としては1勝0敗、防御率3.29、打者としては打率.300、7本塁打、18打点を記録している大谷が、メジャーでは自身初となる月間MVPの有力候補に浮上してきた。
大谷はメジャーでルーキーだった2018年の4月と9月の2度、アメリカン・リーグの月間最優秀新人選手に選ばれているが、月間MVPに選ばれたことはまだない。
4月はまだ3試合残しているが、26日の時点での大谷は、7本塁打がリーグ1位タイ、54塁打と14長打はリーグ2位、17得点と13四球がリーグ3位にランクインしている。
選手の勝利への貢献度を示すWARはrWARが1.0で、1.7でリーグ1位のマイク・トラウト(エンゼルス)に大きく離されている。fWARもトラウトは1.8でリーグ2位、大谷は1.2でリーグ7位(fWARのリーグ1位は1.9のゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース))。
しかし、WARと並んでもう一つの勝利への貢献度指数であるWPAをみると、大谷は1.65で堂々のリーグ1位。
WARは選手の能力を測る指標なのに対して、WPAは状況が大きく考慮され、同じホームランでも大量リードの場面と、逆転本塁打では価値が大きく異なってくる。チャンスに活躍して、どれだけ勝利に貢献したかを示すのがWPAである。
大谷はWPAでリーグ1位に立っているだけでなく、印象度でも他の候補者たちを大きく引き離している。
今季は指の豆に悩まされて、まだ3試合にしか先発できておらず、投球回数も13.2イニングと少ない。それなのに23奪三振はリーグ25位タイにランク。9イニング当たりの奪三振数を示す奪三振率は驚異の15.1で、リーグ1位のコール(14.2)を上回るハイペースで三振を奪っている。
また、被打率は.130で、こちらも規定投球回数不足だが、リーグ1位のタイラー・グラスノー(タンパベイ・レイズ)の.131よりも良い数字を残している。
投手としての活躍度合いは少ない大谷だが、100マイルを超える剛速球を投げ、三振の山を築く印象度は非常に高く、打者としては誰もが文句のない活躍を見せている。
メジャーでは月間MVPは野手、投手には月間最優秀投手があるので、月間MVPには投手としての成績は考慮されない。それでも、投手としての数字は考慮されなくても、投手として残した印象度は無意味とは思えない。
4月の残り3試合でも大谷がこれまでと同じような活躍を続けられれば、アメリカン・リーグの月間MVPに選ばれても不思議ではない。